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日本オラクル、モバイル対応を強化したBI製品の新版、リアルタイム性を追求
2011/07/01 10:33
日本オラクルは、パートナーとのアライアンスを強化。今年1月に「Oracle EPM/BI Partner Committee」を立ち上げ、現在までに46社が賛同している。また、「Oracle Partner Network」の「Specialization」プログラムで技術者を認定してきた。BI製品のバージョンアップに伴い、これらとは別に「BIエンジニア育成キャンペーン」を実施し、ハンズオンセミナー、早わかりセミナーなどを通じてBIのエンジニアを500人育成する。執行役員ソフトウェアライセンス事業製品事業統括の関屋剛・EPM/BI事業統括本部長は「昨年発足したEPM/BI事業統括本部は大きな成果を上げており、『Oracle BI』を再認知していただいた。今年はパートナービジネスを拡大し、来年は圧倒的なシェアナンバーワンを手に入れたい」と力強く語った。
BIシステムは、部門での導入が進み、社内に異なる10システムが存在するケースも出てきている。オラクルは、こうした状況が全社の経営判断・分析の障害となっていることをエンドユーザーが理解し始めているとして、顧客のBIツールを標準化して、全社情報基盤を構築する活動を推進している。
オラクルの推進する全社情報基盤では、すべてのデータソースにまたがる共通メタデータ機能で、企業内のあらゆるデータにアクセスできるようにする。すでに存在しているDWH(データウェアハウス)やデータマートを、そのままのかたちでBI基盤の上で仮想化することで統合する。
「Oracle BI R11.1.1.5」は、経営スピードをアップするためのリアルタイム性を追求。企業情報を検知し、経営環境やビジネスの変化をタイムリーに受信・把握・発信できるようにする「検知」。的確な意志決定のためのシナリオシミュレーションである「判断」、分析した際に異常値などが発見された場合、業務システムと連動して即座に手を打つことで、機会損失余剰コストを抑える「実行」の三つをすべてをリアルタイムにできるようになった。
具体的には、iPhone/iPadに対応したアプリケーションを提供。基幹システムやDWHなどの情報をリアルタイムに分析し、可視化するほか、業務システムとの連携機能「Actional BI」によって、モバイル端末から直接基幹システムの指示を実行することができるようになった。
地図データを利用して、視覚的に状況を分析する「MapViewer」がGoogle Mapに対応した。また、新たなデータソースとして、オラクルのインメモリデータベース「Oracle TimesTen In-Memory Database」、SAPのオンライン分析処理システム「SAP Business Information Warehouse」が分析対象に加わった。
さらにBIアプリケーション「Oracle BI Applications」によって、業務アプリケーションとの連携を強化。CRM製品「Siebel」やERP製品「JD Edwards」、SAPにも対応し、アダプタを介して分析に最適なデータ構造に展開する。
「BI Composer」により、特別な技術を習得しなくても、非定型分析のレポートをウィザード従って簡単につくることができるようになった。
「My Oracle Support」がオラクルへの適用を開始したことで、「My Oracle Support」が、バージョンアップやセットアップ情報を監視。バグが発生した際は、顧客環境に応じてパッチなどの推奨情報を表示する。(鍋島蓉子)
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