ニュース
デル、7月1日付け就任の新社長、郡信一郎氏が記者会見、注力する3事業を強調
2011/06/23 10:33
郡氏は、1969年、東京都生まれの42歳。91年に横河メディカルシステム(現GEヘルスケア・ジャパン)に入社した。98年にハーバード大学経営学修士号を取得後、ブーズ・アレン・アンド・ハミルトン(現ブーズ・アンド・カンパニー)に移籍。その後、サイエントを経て、04年4月にデルに入社し、マーケティング・ディレクター、公共営業本部長、執行役員を経て、11年2月から営業統括本部長を務めている。
郡氏は、「ジムが5年半でデルジャパンを成長させ、その後に社長に就くことに大きな責任を感じているし、(社長として仕事ができることに)感謝している」と述べた。そのうえで、2010年に発表したデルが力を注ぐ三つの戦略を改めて説明した。
「『ソリューション』『バリュー・チェーン』『イー・デル(eDell)』が軸。ソリューションはパソコン、データセンター、クラウドの三分野に向けたソリューション事業の強化、バリュー・チェーンは柔軟で効率的な製品供給の仕組み、イー・デルは直販の強化やソーシャルメディアの積極活用などを意味している」と説明した。とくにソリューション事業には強い意気込みを示し、「デルがソリューションを提供できるということをもっと広く知ってもらいたい」と話した。
また、「あるユーザー企業の幹部から『他社がアジア市場で中国とインドに投資しているのに対し、デルは日本に継続投資してくれている』と言われた。今後もデルは日本への投資を継続する」と約束した。
一方、郡氏とともに会見に登場したジム・メリット社長は、社長在任期間を振り返り、自身の成果に言及。まずサポートサービスを挙げ、「クライアント、エンタープライズ製品を問わず、サポートサービス力は上がった。その理由は、宮崎県にカスタマーセンターを立ち上げたことだ。日本のユーザーのサポート品質に対する期待値は高いが、要求に応えられる水準に到達させることができた。今では、宮崎のカスタマーセンターのスタッフは650人にまで増えている」と話した。
また、収益力のアップについては、「シェアを追い求めていた戦略を転換し、収益性にこだわってきた。デルジャパンの収益は、全世界のなかでもトップ。ストレージやサービスを拡大できたことが、高収益体質を築くことができた要因だ」と説明した。
郡氏ついては「私が日本に来たときから、ずっと私をサポートしてくれた。非常に広範な経験とノウハウをもっている。次の変革に向けてリードする力があると信じている」と紹介した。
デルは、6月13日に今回のトップ人事を発表。7月1日付で郡氏がデルの社長に就き、現社長のジム・メリット氏が、米デルの公共およびラージエンタープライズ事業グローバルセールス部門のプレジデントに就くことを公表していた。(木村剛士)
- 1
関連記事
外資系3社のパートナー戦略、水面下で動いてきたあの施策を振り返る
デル コンシューマー&SMB事業本部 シニアマネージャー 伊田聡輔
<インタビュー>デル、販売パートナーとの質の高い関係構築でSMB事業拡大へ