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松山市のパルソフトウェアサービス、iPad向けアプリ開発に活路

2011/06/21 10:33

 愛媛県松山市に本社を置くパルソフトウェアサービス(パルソフト、高市眞一代表取締役)は、システム開発やネットワーク構築、業務アプリケーションの導入、パソコン教室の運営などをてがける。近年力を入れている事業の一つがiPad向けアプリケーションの開発・販売だ。

 同社が開発した医療機関向けのiPadアプリケーション「BEAR-D タッチパネル式問診票アプリ」は、患者が診療待ちの時間を有効活用して記入する“問診票アプリ”。医療機関自身が、病院や診療科に合わせて、独自の問診票を作成できる。患者の性別や年齢、身長、体重などをもとに、最適な質問を提示する条件設定にも対応。シンプル設計を心がけ、高市代表取締役は、「80歳のお年寄りでも入力できるものを目指して、今、愛媛大学医学部附属病院で実験している」という。

 問診結果はXMLデータとして保存し、電子カルテとも連動。電子カルテに問診結果をテンプレートデータとして格納することで、データウェアハウス(DWH)などの分析システムを通して二次利用ができる。昨年7月、日本IBMの電子カルテ「CIS-MR」との接続動作を確認している。

 愛媛大学医学部附属病院では、「1診療科が3~5台ほどのiPadを導入している。1日で5~10件の利用があると思う」(高市代表取締役)という。今後は、Android端末にも対応させる方針だ。

 同社はiPad向けアプリケーションの活用範囲について、医療分野以外にも目を向けている。例えば、ネットスーパーでの買い物支援だ。愛媛県の緊急雇用創出事業を活用し、松山市シルバー人材センターがチェーンストア業のフジと共同で取り組んでいる「高齢者買い物支援モデル事業」に参加している。高市代表取締役は、「『BEAR-D』は、裏を返せばただのアンケート。現在は、高齢者の買い物支援モデル事業向けに応用して提供している」と話す。

 買い物支援事業では、松山市シルバー人材センターが雇用する高齢者が地域の後期高齢者の自宅を直接訪問し、買い物を支援。iPadを利用して、フジのネットスーパー「おまかせくん」で、食料品や日用雑貨品を注文・購入している。買い物支援だけでなく、安否確認など、生活全般のサービスも提供している。「お年寄りにiPadを見せながら注文する作業に、1時間ほどかかると聞いている」(高市代表取締役)。今後は、頻繁に購入する商品がわかる「お気に入り機能」を追加することなどを検討しているという。

 もちろん課題もある。高市代表取締役は、「ネットスーパーというと、妊婦さんなどの登録が多い。地域の民生委員などに頼んでお年寄りを紹介してもらっているが、なかなか難しい」と現状を語りながら、高齢者のネットスーパー利用者拡大の方策を練っている。(信澤健太)

「BEAR-D」にかける思いを語る高市眞一代表取締役
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外部リンク

パルソフトウェアサービス=http://www.palsoft.co.jp/index.html