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日揮情報システム、日本ユニシスの基盤でSaaS展開、狙いは?
2011/05/23 10:26
SaaS事業化や技術面の支援として、SaaS企画支援&ポータル「ビジネスパーク」を運営。またここから派生して、サブパークと呼ばれる業種・業界特化の組織を立ち上げている。製造業支援SaaS普及協会は、主に中堅・中小企業(SMB)を対象にSaaSの提供を目指す組織で、ミキ情報システムや日揮情報システム、日本生工技研、スミセイ情報システムなど、約10社のベンダーが会員となっている。
会員の日揮情報システムは、SaaS型設備管理システム「PLANTIA for SaaS」を提供。「アプリケーションを売るための一つの手段として、2008年頃にSaaS事業の検討を開始した」(深池敏光マーケティング室室長)という経緯がある。
「PLANTIA」は、工場の設備やユーティリティなど、現場機器の保全業務を包括的に管理するソリューション。自社開発のウェブシステムで、大企業を中心におよそ300サイトの納入実績があるほか、複数の拠点で現場担当者が利用するといった点を踏まえ、SaaS化に着手した。
「PLANTIA for SaaS」を提供することで、組み立て製造や地方自治体など、「Excelなどを駆使していた異業種、企業、団体を狙える」と踏んだ。SMBに対する訴求もできると期待した。「オンプレミス型の場合は、自社インフラの保守・運用が大変。SaaSはトライアルで導入しやすい」(深池室長)。資産の変動費化や2~3か月という導入スピードも「PLANTIA for SaaS」ならではの利点だとする。価格は、初期費用が不要で、同時接続1ユーザーで月額3万円から。
「カスタマイズの自由度が高かったり、システム連携が密だったりして、SaaS型で対応できない案件の場合は、オンプレミス型を提案する。SaaSに関しては、それぞれ特定の業界・業種のニーズ向けに、短期間で提供できるようにしていきたい」(川口克己マーケティング室担当マネージャー)という。
SaaSの拡販では、社内体制を整備。「SaaSビジネスを推進するために、マーケティング室が主体となり、事業部が協力するかたちにした。オンプレミス型を販売している事業部にとっては、SaaSは売り方が異なるし、実績が多いオンプレミス型を提案してしまいがちだからだ」(深池室長)。(信澤健太)
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