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NEC、2010年の連結決算は減収で最終赤字、通期見通しは増収増益
2011/05/10 10:26
主なセグメント別の売上高は、SIやアウトソーシングなどの「ITサービス」が前年度比7.2%減の8042億円、サーバーやストレージ、ソフトなどの「プラットフォーム」が0.6%増の3758億円、パソコンやスマートフォンなどの「パーソナルソリューション」が3.9%増の7665億円となった。
ITサービスは、国内ユーザー企業のIT投資が予測よりも復活せず、大型案件の減少などでマイナス。利益も落ちた。プラットフォームはハードが減少したものの、運用管理ソフト「WebSAM」と障害対策支援ソフト「CLUSTERPRO」などのソフトウェアが伸びて増収となり、利益も伸びた。一方、パーソナルソリューションは、携帯電話事業の統合効果やディスプレイ装置が伸びて増収だったが、新端末の開発費用が利益を圧迫し、赤字となった。
今年度の見通しは、中間期は発表せず、通期は売上高が前年度比5.9%増の3兆3000億円、営業利益が55.7%増の900億円、経常利益が550億円、当期純損益が150億円の黒字(前年度は125億1800万円の赤字)とした。
ITサービスは売上高が前年度比0.7%増の8100億円。クラウド関連製品・サービスの需要増や不採算案件の撲滅施策を推進することで増収を狙う、また、プラットフォームは売上高で6.4%増を見込む。
パーソナルソリューション事業は、レノボとの合弁会社設立によってPC事業会社が連結子会社から外れることで、関連売上高が900億円減少するものの、スマートフォンの販売強化で、昨年度とほぼ同水準の7650億円となる見通し。
会見で遠藤社長は、「東日本大震災がなければ、それなりに数字を出すことができたと思うが、目標にも達しなかったことは反省している。スピード感が足りなかった」と説明。そのうえで、中期的な経営の方針として「今のビジネスだけだと達成は難しい。成長率が高い海外市場にどう切り込むかが重要な要素」と話し、昨年度の海外売上高比率約15%に対し、今年度は20%に上げる計画を示した。(木村剛士)
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