ニュース
ITR、中堅企業向けERP市場は2009年度マイナス2.3%、2010年度は7.9%の伸び
2011/02/23 10:22
中堅企業向けERP市場は、08年度までは堅調な成長を維持してきたが、09年度の出荷金額は370.4億円、前年比2.3%減とマイナス成長に転じた。10年度はIT投資の拡大に伴って回復し、前年比7.9%増の伸びで399.7億円となると予測している。
09年度の中堅企業向けERP市場のベンダーシェア(出荷金額ベース)をみると、50ベンダーが競う混戦市場のなかで、豊富な業種別パッケージと全国的な販売網を強みにオービックが安定した出荷金額を維持。23.1%のシェアを占めた。また、従来製品に加えて富士通からGLOVIA smartを移管したことで、富士通マーケティングが7.5%のシェアを獲得し、2位に浮上している。3位は日立製作所で7.0%、4位はNECで5.8%、5位はカシオヒューマンシステムズで5.3%。
ITRの浅利浩一プリンシパル・アナリストは、「中堅企業向けERP市場は、レガシー化している基幹系業務システム全体のリプレースや、部分的に導入されたパッケージを刷新するなどの案件によって、成長が期待できる。ただし今後は、これまでのベンダー/製品の勢力図が大きく変化する可能性がある。比較的規模の大きな中堅企業は、大企業と変わらない業務の複雑性を内在している場合が多く、子会社や取引先、グローバル対応を含めたシステム化やIFRS対応へのニーズに対して、どこまでベンダーが応えられるかが問われてくるだろう」とコメントしている。(信澤健太)
- 1
関連記事
ITR、国内CRM市場を調査、SaaSがパッケージを初めて上回る
ITR、2009年度の国内運用管理市場、仮想化管理は3倍増の20億2500万円
ITR、ESBの国内市場調査、10年度はプラス成長へ、ベンダー首位は日本IBM
<Industry Chart 業界の今を俯瞰する>生産管理システム IT投資に慎重姿勢みられる 新機軸の提案が商機を掴む