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トレンドマイクロ、パートナーを中心に中小企業向けSaaSを拡販

2011/01/21 10:21

 トレンドマイクロ(エバ・チェン社長兼CEO)の中小企業向けSaaS型セキュリティサービス「ウイルスバスター ビジネスセキュリティサービス(VBBSS)」が好調だ。昨年12月に提供を開始し、SIer、通信事業者、グループの情報子会社など、サービス提供事業者をパートナーにして拡販している。

 VBBSSは、トレンドマイクロのクラウド型セキュリティ技術基盤「Smart Protection Network」を活用した総合セキュリティサービス。クライアントPC/サーバーに対して、ウイルス/スパイウェア対策、ネットワークウイルス対策、ぜい弱性診断、不正侵入防止やURLフィルタリングなど、セキュリティに不可欠な機能を提供する。

 トレンドマイクロは、VBBSSの展開を「パートナーありきのサービスビジネス」として、サービス提供事業者に同社データセンターを利用したサービスのライセンスとサポートを提供。サービス提供事業者が他のソリューションと組み合わせて、自社ブランドとして販売できるホワイトラベル化にも対応した。

 また、複数のユーザー企業を統合・管理するツール「Worry-Free Remote Manager」を用意。サービス提供事業者が、ユーザー企業ごとにセキュリティ管理、レポート、ライセンス管理を行う仕組みも付加価値として提供する。

 サービス提供事業者にとっては、自社ブランドを高め、更新ビジネスをストックビジネスにすることができる。「このサービスを通じて、パートナーにクライアントビジネスのパイを広げてもらいたい」(マーケティング本部コンシューマ&SBマーケティング部プロダクトマネジメント課の坂本健太郎プロダクトマーケティングマネージャー)。パートナーとの関係を深め、ソリューションのクロスセルにつなげていく考えだ。 

コンシューマ&SBマーケティング部プロダクトマネジメント課の坂本健太郎プロダクトマーケティングマネージャー

 トレンドマイクロは、従来から中小向け総合セキュリティパッケージ「Trend Micro ビジネスセキュリティ」を販売してきた。国内の中堅・中小市場で、高いシェアをもっている。坂本マネージャーは「中小企業で求められる要件を満たすために、なじみのある『ウイルスバスター』ブランドを冠したVBBSSを発売した」と経緯を語った。

 中小企業には、100人近い従業員規模の会社でも、個人向けセキュリティ製品を使っているという実態がある。法人向け製品導入のハードルとなっているのが、クライアントの統合管理を行う管理サーバーの設置だ。「セキュリティ対策の専門人材の不足」や「投資対効果が見えづらい」「対策する範囲が分からない」といった課題もある。

 さらに中小企業が製品購入時に重視するのが、製品の価格や検出力の高さ、それに動作の軽快さだ。トレンドマイクロのVBBSSは、SaaSで安価に高い防御力を提供。またクライアントPC/サーバーの負荷を軽減する。ユーザー企業の社内に管理サーバーを設置しなくても、統合管理ができ、管理者の負担も抑制できる。

 トレンドマイクロは、VBBSSのこれらの特徴をパートナーとともに中小企業に訴求し、1年間で5億円の売り上げを目指している。(鍋島蓉子)
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トレンドマイクロ=http://jp.trendmicro.com/jp/home/