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富士通BSC 中国でコールセンター事業

2011/01/06 10:22

週刊BCN 2011年01月03日vol.1364掲載

 システムインテグレーション(SI)事業の富士通ビー・エス・シー(富士通BSC、兼子孝夫社長)は、中国市場での新事業として、コールセンター業務の代行サービスを2011年初頭に開始する。中国に設置する子会社の大連拠点に、5~10席ほどのコールセンター施設を設ける。

 富士通BSCは、中国法人として北京市に北京思元軟件有限公司(BCL)を構える。BCLは、大連と上海にも拠点をもち、3拠点で合計約180人のスタッフを抱える。BCLは、主に富士通BSCから引き受けるソフト開発を手がけるほか、それ以外の日系企業から組み込みソフト開発などを請け負う。BCLの売上高は、昨年度(10年3月期)の4626万元(約6億5000万円)で、営業利益は109万2000元(約1420万円)。

 順調に業績を伸ばしているものの、兼子社長は目標として、3年後に昨年度の2倍にあたる「1億元の売上高突破、営業利益率5%の確保」と定めている。達成のためには、現状のソフト開発事業だけでは足りないとみており、新たなビジネスの立ち上げに向けて準備を進めていた。

 今回のコールセンター事業はその一つとして開始する。42人が在籍する大連拠点にコールセンター施設を設置して、日系、中国系企業を問わず、コールセンター業務の代行サービスを展開する。富士通BSCがコールセンター業務の代行を手がけるのは中国、日本市場を問わず、今回が初めてだ。兼子社長は、「コールセンターサービスだけでなく、将来的には顧客のさまざまな業務を代行するBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業に発展させたい」と意欲を示している。

 今回の新サービスだけでなく、兼子社長は中国市場での新たなビジネスに挑戦する姿勢を鮮明にしている。「自動車向けの組み込みソフト開発なども現地の中国系企業から引き受けたい」と話し、そのための策を練り始めている。「中国のビジネス成長には、いかにして中国現地の企業から受注できるかがポイント」と説明。日本のSIerの大半は、中国向け事業で日系企業だけを対象したビジネスに止まるが、富士通BSCは中国系企業にも視野を広げ始めている。(木村剛士)
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