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キヤノンMJ、オセのハイエンド向けプロダクションプリンタでシェア拡大、2013年に500億
2010/11/11 10:17
キヤノンMJは、2002年にオセの大判プリンタの取り扱いを開始。今回は、オセの既存製品で電子写真式の業務用高速カット紙プリンタ「VarioPrint 6320」を新規販売する。また、業務用高速連帳プリンタ「JetStreamシリーズ」「VarioStreamrシリーズ」の販売も順次開始し、ハイエンドのプロダクションプリンタ市場に参入。シェア拡大を図る。
キヤノンMJは、印刷会社、データプリントサービスなどの顧客を得意とする、昭和情報機器と新たに提携し、共同で拡販を進める。2011年1月にオセ製品専門の直販営業部隊を設置。サポートでは、千葉・幕張にオセ専用のショールームを開設し、バックアップセンターとして稼働させるとともに、オセの開発・サポート要員を常駐させる。中期経営計画最終年である2013年に、プロダクション事業で500億、うちオセ製品で100億円の売上げを目標としている。
国内のプロダクションプリンタ市場は、プリントボリュームの大きいハイエンドが1000億円、ミドルからライトレンジが1000億円で、付帯サービスを含めると4000億円の規模。キヤノンMJは、これまで市場のなかでもカタログや名刺、書籍、取扱説明書、チケット、報告書などを印刷するミドルからライトレンジに対して自社製品「imagePRESS」「imageRUNNER ADVANCE」を展開していた。オセ製品の取り扱いによって、新規分野であるダイレクトメールや、クレジットカードなどの利用明細書に取引情報と関連づけた広告を組み合わせて印刷する「トランスプロモ」など、オンデマンド印刷が必要とされるプリントボリュームの大きい分野を開拓する。
キヤノンMJの川崎社長は「プロダクション事業は、当社のビジネスソリューション事業の成長エンジンとなる。ハイエンド市場に参入し、新たな収益源としていきたい」と語った。
キヤノンMJが2010年子会社化したオランダのオセは、欧米に流通網をもち、産業用の印刷システムや高速大判プリンタの開発・販売を強みとしている。キヤノンとオセは、それぞれの技術を組み合わせた新製品の開発を進めていく。オセのアントン・シャーフCTOは「キヤノンのインクジェット技術とオセのソフトウェアを組み合わせて、欧米・アジアの互いのチャネルの流通パワーを使っていきたい」と話した。(鍋島蓉子)
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