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OSK SMILEで初の本格的CRMを投入 「統合提案」容易に実現

2010/10/14 10:17

週刊BCN 2010年10月11日vol.1353掲載

 ソフトウェア開発会社のOSK(宇佐美愼治社長)は10月20日、「.NETフレームワーク」やリッチクライアントを採用したCRM(顧客情報管理)システム「SMILE CRM」を発売する。「CRM」の名称で同社が本格的に製品化するのは初めて。宇佐美社長は「市場がCRMを求めており、販社が売りやすい」とみており、業界トップシェアのSMILEシリーズの最新テクノロジーを継承して開発した。SMILE CRMは、SFA(営業支援システム)や売り上げに直結するメールマーケティングなどの機能を搭載し、同社のグループウェア「eValue NS」との連携で業務効率を高めることができるのが特徴。初年度は、700本の販売を目指す。

前川健一取締役
 「SMILE CRM」は、不動産管理や工務店管理、機器メンテナンスなど業種特化のテンプレートと業務に適したサンプルを用意。管理項目やレポート追加などをウィザード形式の画面から必要項目を設定するだけで、オリジナルの入力画面や出力帳票を作成できる。各処理のパラメータを自動で生成もできる。BI(ビジネス・インテリジェンス)の機能も搭載し、顧客の情報を一元化したうえで、付帯するクレーム情報や対応の履歴などを利用した分析ができる。

 競合他社のCRMシステムと大きく異なるのは、見込み客や優良顧客にアプローチするメールマーケティング機能や、「Daily Report(日報管理)」テンプレートを利用してSFAを実現できる機能を実装していることだ。「現状では、会計、給与よりもCRMのほうがユーザー企業に受け入れられやすい。当社の販社からも要望が出ていた」(前川健一・R&D本部取締役本部長)と、同社製品群を販社が売りやすくするためにCRM分野の製品を新たに投入したと経緯を話す。

 さらに、「販社は、CRMがラインアップされたことで、当社統合ツール『SMILE BS Custom AP Builder(CAB)』を使って、統合提案がさらにしやすくなった」(宇佐美社長)という。

 ユーザー企業の業務プロセスは、業種・業態ごとに異なる。会計・人事給与、販売管理などを組み合わせ、個々の状況に合わせた個別システムを構築し、拡張性と柔軟性の高いシステムをCABで実現できることになる。

 「SMILEシリーズのデータを出力してExcelで加工したり、見込み客の情報と得意先のマスターを利用して応対履歴を管理するなど、さまざまな用途に応じた統合提案が可能になり、販社は提案の幅が広げられる」(前川取締役)と、自信をみせる。同社は、SMILE CRMを既存のSMILEやeValueシリーズのユーザーや、競合他社の業務ソフトユーザーに対して、販促をかけていく方針だ。(谷畑良胤)
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