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インフォファーム SFA「戦略箱」で“他社陣地”を攻略 継続利用率の高さをアピール

2010/09/24 10:17

週刊BCN 2010年09月20日vol.1350掲載

 岐阜県の有力SIerであるインフォファーム(辻博文社長)は、自社開発のSFA(営業支援システム)とCRM(顧客情報管理)ソフトウェア「戦略箱ADVANCED」を市場に投入し、競合他社製品のリプレース促進を積極化している。2000年10月に発売した「戦略箱」の継続利用率は90%を超え、他社製品に比べて「使われ続ける割合が格段に高い」(辻社長)のが特徴だ。最近、他社製品からの乗り替えが増加し、リプレース需要に販売の重点を置き始めた。

「上海に拠点を構え、現地進出の顧客を支える」と語る辻博文社長
 「戦略箱ADVANCED」は昨年4月、最新版の「バージョン3」の出荷を開始。この製品は中堅企業向けで、オラクルDB基盤にオラクルとIBMのウェブアプリケーションサーバーをベースとして、「バージョン1」からウェブ技術を採用。「『和の心』をコンセプトに開発し、日本の商慣習に適合したコミュニケーション重視の製品。必要な人に必要な情報をプッシュ配信できるなど、インターフェースが好評だ」(中村義則アライアンス事業部研究開発室長)とアピール。導入企業は中堅・大手企業100社弱に拡大している。

 「バージョン3」は、Ajaxなどウェブの新技術を採用して機能を刷新したほか、カスタマイズ導入したユーザー企業にもバージョンアップを可能にするサービスを提供している。これにより、「アドオンが容易になり、顧客の要望が多かったカスタマイズ部分を汎用的に組み込むことで、息長く使ってもらえる」(中村室長)という。

 「戦略箱」の競合製品は、ソフトブレーンの「eセールスマネージャー」やセールスフォース・ドットコムの「Salesforce CRM」で、この両製品が営業現場でぶつかる。しかし、「これら製品の継続利用率は低いようで、『戦略箱』が選ばれる案件が増えている」(辻社長)といい、当初新規開拓に重点を置いていた営業展開を、両製品の既存ユーザーに対するリプレースに切り替えた。

 同社は「『戦略箱』に自社開発のBI(ビジネス・インテリジェンス)『Bird's View(バーズビュー)』を組み合わせ、NEC系列の販売会社などを通じて拡販している」(辻社長)という戦略を採っており、NECネクサソリューションズなどを通じ、全国展開を始めている。今年10月にも、中国・上海市に現地法人を設立する予定。「戦略箱」のユーザー企業が中国に進出しており、これらの導入・サポート人員を現地に置く必要が出てきたためだ。(谷畑良胤)
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