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大塚商会 LED照明事業、下期で巻き返し狙う 通期で35億円の売り上げ目指す

2010/09/16 10:17

週刊BCN 2010年09月13日vol.1349掲載

 大塚商会(大塚裕司社長)のLED照明事業の2010年度上期(10年12月期)受注額は11億円で、伸び悩んだ。しかし、平城正美・マーケティング本部プロダクトプロモーション部LEDプロモーション課課長は「昨年に比べれば、LED照明の市場認知度は高まってきた。案件も増えている」と話し、下期で巻き返しを狙う考えだ。通期で35億円の売り上げを目指す。

 同社のIT系ビジネスパートナーの多くは、LED照明の販売ノウハウを有していないため、パートナー向けの勉強会を開催したり、仕事がはかどるオフィス環境づくりを提案するための照度計算を支援したりしている。平城課長は「地方のSIerにとっては、売れる新規商材となるはず」と期待する。ただ、「ITシステム構築にはなかなか結びつかない。LED照明単体での提案が多いのが実情」(平城課長)ともいう。SIerならではの複合的な提案や強みを生かせていないようで、課題の一つとなっている。

 LED照明は、大企業と中堅・中小企業(SMB)の訴求方法が異なる。大企業が求めるのは環境対策で、SMBはコスト削減。大企業は、「エネルギーの使用の合理化に関する法律」(省エネ法)の改正に伴い、企業全体でのエネルギー使用料を把握して経済産業局に提出する必要があるため、消費電力が低いLED照明に注目している。大企業向けはテスト導入を経て、下期から本格導入に着手し始めた。一方、SMBは即効性のあるコスト削減効果を求めるケースが多く、ユーザー企業の経営陣に直接アプローチしてコストメリットを強調。導入を推進してきた。

 LED照明の営業手法は、省エネやCO2削減、コストメリットなどを前面に打ち出した提案型となる。電球を店頭に並べて、お客の購入を待つという受け身の手法とは対照的だ。

 同社は、韓国のLED照明メーカー・FAWOO Technology(ファウテクノロジー)製のLED照明で、水銀灯タイプやハロゲンタイプ、直管蛍光タイプ、面発光照明、棚下・間接照明、防爆灯タイプ、街路灯、外壁灯・トンネル灯、キャンドルタイプを販売してきた。3月末には、低価格LED照明といった商材のラインアップを拡充。販売実績をみると、水銀灯タイプのLED72Wの大型タイプが好調で、倉庫や工場での採用が進んでいる。

 電材卸業者や設計事務所、ゼネコン・工務店、ハウスメーカーといった照明業界の既存の商流を中心に、大塚商会の2500人の営業部隊や通販サイト「P-tano(ぱーそなるたのめーる)」、大手ネット通販サイト「楽天市場」、4000社のビジネスパートナーを通じて拡販している。今後は家電量販店での取り扱いも開始する考え。商流の開拓によって、ビジネスボリュームの拡大を急ぐ。(信澤健太)
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