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ヒューレット・パッカード中国 公共案件の受注で地方政府と連携 中国内陸部で大きな存在感示す
2010/09/09 10:17
週刊BCN 2010年09月06日vol.1348掲載
デニス・マーク ヒューレット・パッカード アジアパシフィック&ジャパン バイスプレジデント |
地方市場で、同社が大きなポテンシャルを見込んでいるのは、公共案件の受注だ。具体的には役所や学校/大学用PCの展開に期待を寄せ、地方政府を相手にしたビジネスに目を向けている。公共案件の受注は、政府が積極的に支援している国内メーカーとの競争が激しく、外資系企業にとってはハードルが高い。だが、「当社は25年間にわたって中国政府と非常に良好な関係を築いてきたので、外資系であっても有利なポジションにいる」(マーク・バイスプレジデント)と自信をみせる。例えば地場の大学でIT関連の講座を開くなど、多様な施策を打ち出して、公共案件の受注につなげることを追求している。
同時に、コンシューマ向けPC事業の拡大にも注力。インターネット利用の頻度が高い若年層を重要なターゲットに据え、デザインコンテストなどを通じてアプローチをかけている。若者に自社製品を積極的にアピールする戦略は、販売拡大を目的とするにとどまらない。「地場の大学生と深い関係を築くことで、将来HPで働きたいという人を増やしていく」(マーク・バイスプレジデント)としており、優秀な人材の獲得も狙っている。
HPは、中国を「アジアで最も重要な市場」(マーク・バイスプレジデント)としている。しかし、中国市場は競争が激しいだけでなく、ここへきて、ユーザー意識にも変化の逃しがみえてきた。「法人・個人向けともに、品質に関しての目が厳しくなっている」(同)と、ユーザーへの新たな対応を余儀なくされるとともに、今後の競争が一層激しさを増すとの見通しを立てている。(ゼンフ ミシャ)
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