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東洋ビジネスエンジニアリング iPhone対応の生産管理システムを開発 「現場回帰的」商材として売り込む
2010/08/05 10:17
週刊BCN 2010年08月02日vol.1344掲載
入交俊行・プロダクト 事業本部営業本部 本部長 |
同社は、“見たい化”を念頭にシステム開発を進めているという。“見たい化”とは、ユーザーが見たい・利用したいと思うことを指している。このように、ユーザーニーズに立脚したシステムで、新規案件の開拓を図る。
iPhoneならではの使い勝手のよさは、端末がグローバル規模で普及していて、そのユーザーインターフェースがすでに幅広く受け入れられているという点にある。海外の生産拠点で働く現地採用の従業員であっても、使いこなしやすい。キーボードレスで、持ち運びしやすいことなど、スマートフォンがもつ利点も現場では重宝されるとみている。
近年は、業務用途のスマートフォン向けシステムの拡充に注力するベンダーが目立つようになってきた。同社でもユーザーニーズの高まりを実感しており、ある企業の経営者からは「iPhoneで動くシステムでなければダメだ」という注文を受けたそうだ。
同社が抱える切実な事情もiPhone向けシステムの投入を後押ししている。製造業向けSCM/ERPの「MCFrame」と併せて提案されることが多い会計システム/ERPの「A.S.I.A」は、国際会計基準(IFRS)の適用を見込み、近い将来に販売拡大が期待できる。しかし、その半面「会計システム一色になってしまい、生産管理システムが売りにくくなってしまう」(入交本部長)というマイナス面も浮上してくる。
原価管理などで食いつなぐ方法はあるが、同社の方針はこれとは異なる。情報システム部門ではなく、現場の第一線で利活用できる「現場回帰的なところ」を目指す考えだ。iPhoneは、まさにそうした狙いに合致した商材と判断したのだ。
今後の同社の展開としては、iPhone向け生産管理システムを新たな商材として、パートナーを拡充することが想定される。(信澤健太)
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