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ローランド、トータルプロバイダを目指す、業務用AV機器の事業戦略を発表
2010/06/28 10:13
発表会の冒頭、挨拶に立った田中社長は、「現在はオーディオとビデオの融合が進行し、業務向けと民生向けの境界線も薄れてきている。今回の新製品はこの『ボーダレス』というトレンドに対応している」と製品の方向性を語った。今回、InfoComm 2010に出展したのは、オーディオ機材のライブミキシングコンソール「M-300」とフォーマットコンバーター「S-MADI」、ビデオ関連ではマルチフォーマットビデオスイッチャー「V-1600HD」とマルチビューワー/スイッチャー「MVS-12」の計4モデル。
音響機器市場は、これから大きな成長が見込まれる。InfoComm 2008の資料によれあば、ワールドワイドで2009年は約3800億円規模で、2012年には約4700億円への拡大を見込む。ローランドはこうした市場に向けて、独自のデジタル音声伝送技術「REAC(Roland Ethernet Audio Communication、リアック)」をコアコンピタンス技術として対応製品を展開していく。
一方、映像機器の分野も同様に拡大が期待できる。米国の調査会社フロスト&サリバンは2008年に、2009年は約800億円、2012年は約900億円、2015年は約1000億円と、右肩上がりの伸びを予想した。ローランドは、動画共有サイト「USTREAM(ユーストリーム)」をはじめとするインターネット上の動画配信という従来にはなかった市場に期待を寄せる。例えば、USTREAMの渋谷スタジオではローランドの機材を導入しており、すでに実績がある。
なお、映像機器については、ライブ、レコーディング、配信を一台で、かつ低コストでできる製品を年内に投入することを明らかにした。
田中社長は、「ビデオとオーディオのライブパフォーマンス、レコーディング、編集・制作を実現する『トータルプロバイダ』を目指す。これからも新たな需要に応え、新規マーケットを創り、みなさまとともにビジネスを拡大していきたい」と意気込みを語った。
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