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イエローフィンと京セラ丸善SI BIツール 低価格化で現場採用進む OEM強化で国内拡販を加速
2010/05/27 10:13
週刊BCN 2010年05月24日vol.1334掲載
グレン・ラビーCEO |
昨年はIT業界全体が厳しい状況にあったが、米国と日本を中心に売り上げを伸ばした。その要因として、他のベンダーの製品にBI機能を組み込むOEMでのビジネスや、既存ユーザーのライセンス追加などがけん引したことを挙げている。「自動車産業は大きく影響を受けた業界の一つだが、この不況下、経営をシビアに見直すためのツールとして、需要が盛り上がった。価格が安価な点も興味を引いた」とラビーCEOは話す。
かつては高額だったBIツールは機能が格段に向上し、価格が下がっていることから、現場のラインマネージャーが日々の結果の報告に利用したり、経営者がボトムアップでの経営戦略を立案するために役立てるツールとしてのニーズが高まっている。
協業する取引先同士でのレポート共有、CRM、ERP、通信事業者のビリング(請求通知)といったウェブを使った顧客向けレポートサービスなどにも、同社のBIツールが採用されているという。
京セラ丸善システムインテグレーションは、5月18日に、イエローフィンのBIツールの新版「Yellowfin ver.5」を、提供開始した。「Yellowfin」はSaaS/クラウドに対応する。iPhoneや今後成長が期待されるアンドロイドOS向けのスマートフォンといったモバイル対応も強化している。最新のバージョンは、イン・メモリデータベースを搭載し、応答時間を大幅に短縮した。また、ExcelのスプレッドシートをデータソースとしてYellowfinにインポートできるようになったことで、ローカルで保有していたデータをサーバーサイドで共有することが可能となった。
京セラ丸善システムインテグレーションでは、「YellowfinはウェブやSaaSに強い。例えばSaaSのセキュリティ製品をもつパートナーにYellowfinをOEM供給したり、パートナー同士のビジネス連携を支援したりすることで、OEMビジネスを展開する」と、国内での戦略を話す。国内には27社のOEMパートナーを抱えているが、パートナーの数を2倍に拡大することで、国内売上高の2割をOEMにしていきたい考えだ。(鍋島蓉子)
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