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シマンテック、エンリケ・セーラムCEOが中国イベントでアジア戦略を語る
2010/04/30 10:09
「シマンテックはアプリケーションのレピュテーション」
――日本市場では、トレンドマイクロが強いが……。セーラムCEO セキュリティ、システムマネジメント、ストレージ――当社がすべての市場において一番だ。独自性をもっているのは当社だけで、他社にない可能性がある。ストレージだけを提供しているところ、セキュリティだけを提供しているところは、顧客に対する完璧なソリューションは提供できない。今、最も急速に伸びている市場は、DLP(情報漏えい対策ソリューション)で、シマンテックはマーケットリーダーとしての自負がある。我々の技術を差異化し、ストレージ、セキュリティを融合して、優位性を保っていきたい。
クォック 加えて、日本でシマンテックの実行力を高め、パートナーコミュニティを強くしたいと思っている。当社は、セキュリティを単にアンチウイルスなどのシングルポイントソリューションとしてみていない。全体的なフレームワークとしてアプローチする必要がある。つまり、情報を中心として、インフラも守り、情報も守るということだ。全体的なアプローチによって、セキュリティをインフラに組み込まなければならない。チャネルパートナーに対しては、こういったメッセージを落としていきたい。これがうまくいけば、シマンテックは非常に大きく前進できると思っている。
――法人向けのレピュテーション技術展開は。
セーラムCEO 当社は特許をもっており、他者にないアプローチがある。アプリケーションのレピュテーションは、次のエンタープライズ製品で組み込む。「レピュテーション」という言葉はアンチスパムでは「IPアドレス」の評価、スコアリングをする「IPレピュテーション」だ。だが、いまのレピュテーションというのはアプリケーションのレピュテーションなので、それとはまた違う。ほかのメーカーはIPのレピュテーション、当社は「アプリケーションのレピュテーション」。ここが大きな違いだ。
――日本における中小企業型SaaS戦略を教えてほしい。
セーラムCEO 中小企業が、ITのことを考えなくてすむように望んでいる、中小企業は、専門のITスタッフを抱えているわけではない。パートナーとシマンテックが協力し、責任をもって中小企業にITサービスを提供できるようにしたいと思っている。
――プレスとのお話では、売り上げのうち3分の1が大企業、3分の1が中小企業、3分の1がコンシューマにしたい、という話をされていた。このなかで、成長軸は。
セーラムCEO 法人向けでは中小企業を狙っている。この市場の顧客は、過去の一つか二つ製品しか使っていない。シマンテックは、さまざまなソリューションを提供している。エンドポイントセキュリティだけでなく、バックアップも使ってほしいし、システムマネジメントも使ってほしい。シマンテックの製品が受け入れられる余地は多く残っている。今まで1製品しか使っていない中小企業に対してクロスセルができると、特にそれをSaaSで提供するなら、ハードルを下げることができる。
クォック 補足すれば、日本市場に関しては、大企業にも、中小企業にも期待している。というのは、まだまだ大企業に入りきれていない。だからパートナーの強化によって、顧客を幅広くカバーしてもらうことが重要だ。日本では、横に広がる余地が残っている。
――SaaSの製品展開は。
セーラムCEO 既存で展開しているものと、新しく提供するサービスの両方を手がける。重要なのは、中小企業向けに関しては、固定のニーズがあること。セキュリティスイート「Symantec Endpoint Protection Small Business Edition」は、中小企業向けにカスタマイズし、簡易な設定ができるようになっている。中小企業、大企業ともにまだまだチャンスがあると思っている。より簡素化をして、中小企業向けに受け入れられやすいものを提供したい。
クォック 先ほどSaaSの話でいえば、メッセージラボが非常に積極的で、日本でのビジネスチャンスを拡大しようとしている。SaaSを導入では、APJでも日本が筆頭になると考え、推進していく考えだ。
――「Symantec Endpoint Protection Small Business Edition」は、パッケージ製品。これからSaaSでの提供計画があるということか。
セーラムCEO もちろんだ。ユーザー側で行っている運用管理をSaaSに移行していく。
(鍋島蓉子)
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