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<地域のIT活用事例>和紙にICタグをすき込み 新規ビジネスを創出へ
2010/04/08 10:12
週刊BCN 2010年04月05日vol.1328掲載
伝統工芸の越前和紙にICタグをすき込むことによって、和紙とITシステムとの連携の道が開ける。イベントの案内ハガキにすき込むケースでは、来場時に案内ハガキをICタグの読み取り機にかざすだけで、誰が来場したか瞬時に判明。自動的に担当の営業マンの携帯電話にメールで来場者名などを送る仕組みを開発することで、効率のよい受付・営業が可能になる。上質な越前和紙を使うことで「顧客に与えるインパクトは、普通のハガキよりも格段に大きくなる」(先織ITコーディネータ)と鼻を高くする。
越前和紙製の案内ハガキにICタグをすき込む技術を開発したのは、福井県の梅田和紙と関西の印刷会社の大阪シーリング印刷の2社。ICタグは水に弱く、耐熱性も80度までが限界といわれている。このため、ICタグの周辺に耐水、耐熱加工を施す技術を開発。レーザープリンタで文字などの印刷もできる。
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重要書類の管理用の積層ICタグすき込み技術を開発した小畑製紙所の小畑明弘社長 |
積層ICタグのすき込み技術を開発した小畑製紙所は、今年3月に都内で開かれた見本市にこの技術を出展。「顧客からの反応は上々」(小畑明弘社長)と、手応えを感じている。先織ITコーディネータは、地元和紙メーカーなどとのコーディネートによる技術開発を推進し、「伝統工芸とITを融合した新規ビジネスの創出につなげる」と意欲を示す。(安藤章司)
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