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ヒューマニクス 中小企業が共同受注に向け連携 「大手SIerを上回るサービスを」

2010/04/01 22:27

週刊BCN 2010年03月29日vol.1327掲載

 ヒューマニクス(西薫社長)は、中小SIerが結束してシステム構築を共同受注することを目的とする「東京ソフトウェア協同組合」の活動を推進している。西社長は、理事長を務める。

西薫社長
 同組合は、新規ユーザーの獲得や大規模開発、長期業務の受注など、単独では困難な案件について、中小規模のSIerが共同で担うための団体。2009年に設立され、現在は、同社を含めて11社が組合員として名を連ねる。目下の目標は30社の加入で、71社の中堅・中小規模のSIerを会員とする「IT交流会」から参加してもらうよう促している。

 同組合は、従来の一次請け・二次請けと続く関係を改善し、元請け企業として共同で発注案件を開拓していく考えをもっている。加えて、中小SIerならではの課題に対処する狙いもあるという。オーナー経営が多い中小SIerにとって、後継者問題は頭の痛い問題だ。同組合では、人材育成と新技術習得のための教育活動に入れている。

 ただ、設立から半年程度が経過し、いまだ実績がないのが実情だ。西社長は、積極的に案件獲得に動いていると話すが、結果を出せない苦しい状況が続いている。

 同社には、経済不況で落ち込んだ受注件数を復活させたいという切実な思いがある。西社長は、「リーマン・ショックで大きな影響を受けた」とため息交じりに話す。販売管理システムや社員食堂のPOSシステムなどの構築で実績がある同社。従来は、「2000年頃の貸し渋りがあり、大手SIerからの下請け受注を中心とした業務システムの開発が多かった」が、大幅な受注減を受けて方向転換した。09年からは、コスト削減を旗印にサーバーの仮想化に活路を見出し、注力している。「サーバーの統合とクライアントのシンクライアント化を両軸で進めてきた」。厳しい状況は続くが、「4月前後からは、多少は良くなるのでは」と期待を寄せる。(信澤健太)

「東京ソフトウェア共同組合」の会員企業
●アイランド株式会社
●株式会社アズ
●株式会社アルバ
●株式会社エム・アンド・アイ
●システムクレスト株式会社
●株式会社システムファクトリ
●株式会社テクノコア
●株式会社ビイワイエス
●株式会社ヒューマニクス
●株式会社ベータ・ネット
●株式会社ラフ
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