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富士ソフト 知能化エンジンを実体化 組み込みソフト回復の切り札に
2010/02/25 10:08
週刊BCN 2010年02月22日vol.1322掲載
教育機関向けの販売価格は29万8000円(税込み)だが、真の狙いは、組み込みソフト事業の業績回復にある。携帯電話向けソフト開発需要が減退し、期待されているエコカーも本格的な拡大までにはまだ時間がかかる。そこで目をつけたのが“知能化技術”だ。同技術は、人の顔や音声を認識し、適切な対応を自動的に行うプログラムで、知能化エンジンとも呼ばれる。今回は人型ロボット「PALRO(パルロ)」という形で実体化したが、今後は知能化エンジンをパッケージ化した独自のソフトプロダクトの製品化も視野に入れる。
例えば、通り過ぎる人の性別や年齢を認識し、最適な広告を表示するデジタルサイネージ(電子看板)への知能化エンジンの組み込み。あるいは、受付の案内や介護・福祉現場での簡単な作業など応用の余地は大きい。また、富士ソフトでは、APIを公開するなどして、同社の知能化技術を活用したアプリケーション開発を容易に行えるようにする。
すでに、大手電機メーカーや自動車メーカーなども人型ロボットの開発に取り組んでいるが、「ソフトをオープンにしたり、組み込みソフトを単体で販売したり、SIを行ったりするのは、SIerである富士ソフトならではの得意領域」(白石社長)と、自らの強みを生かした展開を行うことで国内外でのビジネスを伸ばす計画を示す。(安藤章司)
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