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日本ストラタス 「Avance」の拡販体制を整備
2010/02/25 10:08
週刊BCN 2010年02月22日vol.1322掲載
無停止型サーバーをSMBに拡販へ
「Avance」の販売に意欲をみせている販社は、FTサーバーを販売するディストリビュータやSIerを中心に現時点で20社程度に達しているという。ネットワーク関連機器の販売に強いディストリビュータのシーティーシー・エスピー(CTC SP)が、「Avance」に特化した販社として国内で初めて契約を結んだことは記憶に新しい。CTC SPの販社を2次店として獲得したことをはじめとして、「FTサーバーの販売パートナーのなかで、他社製IAサーバーを売るインテグレータが『Avance』を売ることに積極的な姿勢をみせている」と、飯田会長兼社長は手応えを感じている。
また、同社はNECや日立製作所、東芝などサーバーメーカーや、サーバーCPUメーカーのインテルなどに対して話をもちかけ、「協議会の設置を模索している」という。これらのメーカーとは、FT技術のOEM(相手先ブランドによる製品供給)などで協調関係を築いており、「IAサーバーの拡販につながることをアピールし、『Avance』のパートナーになってもらう」ことを狙いとしている。さらに、デルや日本ヒューレット・パッカード(日本HP)など、外資系メーカーにも打診しており、「お互いがメリットになるパートナーシップ関係を築きたい」考えを示す。
「Avance」は、仮想化された統合サーバーの障害を事前に自動検知することに加え、システムを止めずに99.99%以上の連続稼働が可能。シトリックス製の仮想化ソフトウェア「XenServer」をベースにストラタスが無停止型サーバーで培った高信頼性技術を実装しており、2台の物理サーバーを統合して1台の仮想マシンとして複数稼働できる。ハードの診断機能も搭載されており、システムの異常や障害を予測し、障害部分をシステムから切り離せるようになっているほか、異常を検知したサーバー上の仮想マシンをもう1台の安全なサーバーに自動的に移動し、継続した処理を行うことが可能だ。
また外部ディスクを必要とせず、2台の物理サーバーを接続することでミラーリングを標準で実施。SANなどの高価な外部ストレージやミラーリングソフトが不要なので、低価格を実現できることが特徴となっている。信頼性が高い従来の仮想化インフラに比べ、半分以下のコストで導入できる。インストールが15分で完了するなど導入障壁が低く、運用も高度なスキルを必要としないことから、SMBが高信頼の仮想化インフラを構築するのに大きく寄与するソフトとしての評価が高い。
最近は、IAサーバーのコモディティ(日用品)化で、ディストリビュータやSIerにとってサーバー販売は旨味の薄いビジネスであるとの見方が強い。そういった点からも、「Avance」がIAサーバーのリプレース需要を掘り起こし、市場を活性化させる製品となる可能性を秘めている。
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他社との協調関係がカギ
大規模システムや停止が絶対に許されないシステムなどに導入されていたFTサーバーが、クラウド時代に突入しつつあるなかで脚光を浴びようとしている。日本ストラタステクノロジーは、このような市場環境を踏まえて「今後は、1社だけでビジネスを手がけるのが最善とはいえない」(飯田晴祥会長兼社長)との考えから、IAサーバーメーカーとの協調関係を深めるために「Avance」の拡販に乗り出したのだ。ソフトビジネスに力を入れるのは、「IAサーバー販社が展開するハードビジネスにメリットを与える」ためだ。中堅・中小企業(SMB)市場はリプレース需要の激減で、なかなか需要を掘り起こせない状況にある。このような現状を踏まえて、「IAサーバーを付加価値のあるものに変えていく」としている。また、飯田会長兼社長が前職などでソフトメーカーのトップとしてビジネスに携わってきた体験から、「ハードとソフトを生かし、全方位で攻めたほうがビジネスの幅が広がる」と判断している。
FTサーバーの販売といったハードを中心にビジネスを手がけていくのは大企業の市場。「これまでと同様に絶対に停止しないというFTサーバーのメリットを前面に押し出していく。仮想化環境を含めて提案する」としている。
同社の今年度(10年2月期)売上高は「前年度と比べてフラット」だったものの、ソフトビジネスという領域を拡大することで、「来年度は、成長率20%強の増加を目指す」方針を示している。そのうち、ソフトビジネスについては「Avance」の販売として200ライセンスを狙うなど「売上比率を高めていく」としている。
「無停止型サーバー」という切り口で、どれだけ同社がサーバー市場を切り崩すか気になるところ。主導権を握るためにも、IAサーバーとの親和性がポイントになってくる。(佐相彰彦)
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