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LoiLo、子どもの「構成力」「発信力」を育む教育向け動画編集ソフト
2010/02/09 10:08
「ロイロ エデュケーション」は、GPUを活用することで快適に動作するコンシューマー向け動画編集ソフト「Super LoiLoScope」を教育機関向けにカスタマイズしたもの。子どもが理解しやすく、簡単に扱えるインターフェースを備えたことで、小・中学校や高校などの教育現場で動画を活用した授業を導入しやすくなる。子どもたちは授業を通じて、プロットを作成する構成力や、動画で情報発信する力を身に付けることができる。
操作画面は、「文字」は緑、「映像」は青、「音声」は紫のように、各ラインを色分けした見やすいタイムラインで構成。どのファイルをどの位置に並べればよいか、ひと目でわかる。「コマ送り」「再生」「一時停止」などの操作ボタンは、形状だけでなくそれぞれ異なる色を採用し、先生が子どもに的確に指示できるよう配慮した。また、自分の名前でログインすれば、動画ファイル名にも自動的に名前が挿入され、ほかの子どもによる上書き保存を防げる。
先生側のPCでは、子どもたちのPCを一元管理。動画、写真、音楽など授業で使う素材を格納したフォルダだけを子どものPCに表示するほか、「15秒」「30秒」「1分」などタイムラインの時間が設定できる。監修を担当したNHKエデュケーショナルが、作業画面の色味やサムネイルの大きさなどを提案している。
製品発表会では、教育現場での使用事例として、横浜市立霧が丘小学校と横浜市立洋光台第一中学校での取り組みを動画で紹介した。霧が丘小学校は、修学旅行で訪れた日光の写真を素材に、15秒のCMを作るという試みを実施。洋光台第一中学校は、生徒有志による卒業ビデオアルバムを作成した。いずれも友達と楽しそうに編集作業をする子どもたちの笑顔が印象的だった。
LoiLoの杉山竜太郎・取締役 COOは「これまで動画編集ソフトは教育市場を意識していたわけではなかった。しかし、NHKエデュケーショナル様が実施したワークショップの協力によって、新しい市場が生まれた」と製品化の背景を明らかにした。「現在、学校では、行事などの動画・写真の編集は教員が担当しているが、これからは子どもたちの活動として広がるのでは」と期待を寄せた。
杉山氏によると、一つの学校にPCが約40台、また、こうした学校を管轄する一教育委員会あたりのPCの保有台数は2-3万台とみている。日本全国に約1800ある教育委員会で、およそ3600-5400万台のPCが導入対象として見込めることになる。これまでは専門的な知識や技術が必要だった動画編集のハードルを下げることで、教育市場という新しい分野を開拓していく構えだ。
マルチタッチ対応の液晶ディスプレイがあれば、タッチ操作による編集もできる。対応OSはWindows 7/Vista/XP。マイクロソフトの共有コンピュータ向けソフト「Windows SteadyState」に対応する。ラインアップと価格は、パッケージ版が1万4700円、アカデミック版が9870円。一方、ライセンス版は7140円。ライセンス版にはインストールCDが別途必要で、価格は2100円。1クラス分のPC(41台)への導入をパッケージにした「41台ライセンス版」は26万2500円。
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NHKエデュケーショナル=http://www.nhk-ed.co.jp/