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トレンドマイクロ、法人事業戦略発表、「クラウドの“ための”保護」に注力
2010/01/25 10:08
トレンドマイクロは、2005年から評価情報をベースとして未知の脅威を事前に防ぐレピュテーションサービスを開始。昨年3月に、インターネット上からウェブの安全性を評価する「Webレピュテーション」、スパムメールを事前に防御する「E-mailレピュテーション」、ファイルの安全性を判断する「ファイルレピュテーション」の三つの評価データベースが協調動作することで、ウェブからの最新の脅威に迅速に対応するセキュリティ基盤「Trend Micro Smart Protection Network」が本格稼動するなど、「Protection”From”The Cloud(クラウド「から」の保護)」に力を入れてきた。
2010年は「Protection“For”The Cloud(クラウドの“ための”保護)」をメッセージに、国内でも検討が進んでいる仮想化環境や、SaaS、PaaS、IaaSなどのクラウド環境、多様化するネット端末に対してセキュリティ製品・サービス提供を推進する。
セキュリティソリューションを提供するにあたっては、仮想化に強みをもつ国内外のパートナーと連携を強化し、クラウド関連の技術アライアンスを積極的に行う。またパブリッククラウドでは、クラウド上のデータ保護ソリューション、SaaS型メールセキュリティ、エンドポイントセキュリティに加え、インターネット経由で社内に潜在する脅威を可視化するサービスを提供していく。さらに、ネットブックやスマートフォンなど、インターネットに接続できる端末で動的にやり取りされる情報に対して、監視・モニタリングを行うソリューションや、エージェントレスの情報漏えい対策などにも取り組んでいく。
また、ニーズに合致した製品・サービスをタイムリーに投入する体制を整備。企業内ネットワークの監視・可視化ソリューション「Trend Micro Threat Management solution」など、戦略商材の販売を強化する。欧米市場を中心に、アジアへも展開し、パートナーの開拓や密接な連携によってエコシステムを構築。専門部署を立ち上げることで、2010年の売上高構成比の18%を戦略商材とする成長戦略を打ち出した。
3月1日には、大手SIerを経由して、従来型の物理・仮想・クラウド環境のすべてに統一したセキュリティを実現する新しいサーバーセキュリティ製品「Trend Micro Deep Security 7.0」を発売する。09年4月に買収したカナダのサードブリゲイド社の製品で、将来はマルウェア対策機能などを統合して提供することを計画している。
仮想環境では、通信が外部から監視できないことで、十分なセキュリティ対策ができないといった問題が顕在化。同社の九里禎久・マーケティング本部長は、「クラウド・コンピューティングの採用が進むと、自社内に設置したファイアーウォールを越えてシステムを利用することになる。これまで企業内ネットワークに閉じていたウイルス感染被害が、インターネットを通じてクラウドのサーバーまでに及び、社会的責任や賠償請求なども起こるリスクがある」と警鐘を鳴らす。
「Deep Security 7.0」は、物理、仮想、クラウドが連携した環境のセキュリティを一つのアーキテクチャで実現するソリューション。マルチプラットフォームに対応し、サーバーを保護する「Deep Security エージェント」、仮想サーバー特有の脅威から守る「Deep Security Virtual Appliance」と、物理・仮想化・クラウド環境に導入したすべてのエージェントとVirtual Applianceを一元管理する「Deep Security マネージャ」の三つから構成する。「Deep Security Virtual Appliance」は、ヴイエムウェアのVMWare vSphere4 for VMSafe APIに対応。何らかの理由で仮想サーバにエージェントを乗せられない場合も、Virtual Applianceの導入環境に仮想サーバを移植すれば保護することができる。
従来IPS/IDSに加え、ウェブアプリケーションの改ざん対策、ファイアーウォール、セキュリティログの一括管理などの機能を主に提供。「ウェブアプリケーションのぜい弱性を狙った攻撃として代表的なSQLインジェクションやクロスサイトスクリプションなどに加え、今世間を騒がせているGumbler攻撃の対策も一部提供できる」(九里本部長)という。
価格は「エージェント」が物理、仮想問わず1サーバあたり8万4000円。また、「Virtual Appliance」が1CPUソケットあたり(8コアまで)23万円。「マネージャ」が237万5000円(すべて税別)。
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