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アイティフォー 地銀向けSIP型テレバン 短期決戦でシェア拡大へ

2010/01/21 10:08

週刊BCN 2010年01月18日vol.1317掲載

東川清社長
 SIerのアイティフォー(東川清社長)は、電話で振り込みや残高照会ができるテレホンバンキングシステムの横展開を進める。すでに多くの銀行が導入済みだが、アイティフォーは従来の高価なPBX(構内電話交換機)ではなく、インターネットを活用したより安価なSIPサーバーをベースにテレホンバンキングを構築。維持管理費の削減をテコに、従来機のリプレースを狙う。

 SIPサーバーはIP電話などに広く使われている技術だが、テレホンバンキングとしては十分に広まっていない。アイティフォーの調べによれば、全国の100余りの地方銀行と第二地方銀行のうち、およそ半分が古いPBXベースのテレホンバンキングを使用している。この領域をターゲットに、価格競争力があるSIPベースのシステムを集中的に提案することで、同社ではおよそ20社からの受注を目指す。すでにライバル他社も同様の動きを始めており、「向こう1~2年の短期決戦になる」(東川社長)と受注活動を急ぐ。

 テレホンバンキングは、コールセンターで使われるCTI(コンピュータと電話やFAXの融合)をベースに、バンキングのアプリケーションソフトを搭載したもの。2009年10月に、第1号ユーザーである鹿児島銀行でシステムが稼働。従来型だと3~4億円かかるところを1億円を切る価格で納入した。今年度(2010年3月期)は、累計4~5件の受注獲得を目指す。

 SIPベースのCTI上には、アイデア次第でさまざまな業種・業態向けのアプリケーションの搭載が可能だ。アイティフォーは、こうした“統合CTIシステム”の開発を加速。業種に強いCTIに仕上げることで競争力を高める。昨年度(09年3月期)のCTI事業の売上高は約10億円だったが、搭載アプリの品揃えを増やすなどして、向こう2・3年で同事業の売り上げを倍増させる方針だ。(安藤章司)
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