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富士通BSC 建設業向けERPをクラウドで
2009/08/31 21:37
週刊BCN 2009年08月31日vol.1298掲載
自社パッケージソフトをサービス化
「CAP21」は、建設業に特化したERPで、富士通BSCが自社開発したパッケージソフト。直販のほか富士通や同社のパートナー企業を通じた間接販売で、約400社に納入した実績をもつ。今年度の販売は好調で、見込み案件として新規顧客8社、既存顧客からの追加案件が14社、リース切れに伴うリプレース案件が2社ある。競合はNECの「EXPLANNER」で、そのほかに目立った対抗製品はなく、シェアを二分している状況という。案件の増加だけでなく、開発単価も上がっている。昨年度までの平均単価は3500万円だったのに対し、今年度は5000万~1億円に上昇している。今期すでに受注済みの5社のうち、3社が上場企業で、4社が5000万円以上の開発プロジェクトという。
兼子社長は、「不況の影響で建設業もIT投資は抑制傾向だが、生き残りをかけてIT投資する企業もある。それらのIT投資に積極的な企業、とくに大手企業からの受注に成功している」と好調な理由を話している。富士通BSCには、「建設業経理士」および「建設業経理事務士」の資格保有者が合計で16人在籍するなど、建設業の業務に精通した人材がいることも強みだ。富士通BSCによると、建設業は全国に約700社存在し、そのうち約60%が関東・甲信越地方に集中している。ERPの導入済み企業はあるものの、ビジネスポテンシャルは高いとみており、事業を強化することにした。
年度内の発売を目指すクラウド型サービスは、「CAP21」が持つ機能をネットワークを通じたサービスとして提供するもの。具体的に提供する機能や価格は未定なものの、「ターゲットを中小企業に定め、安価な価格で販売する。可能であれば、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービスも絡めた形で提供したい」(兼子社長)という方針を決めている。サービスを提供するITインフラは、アウトソーシングビジネスで協業し、東京都内に複数のデータセンターをもつビットアイルの施設を活用する計画だ。
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