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dit 低遅延・低価格のTV会議システム 関連ソリューションの開発も容易
2009/06/15 21:34
週刊BCN 2009年06月15日vol.1288掲載
システムは、サーバー用ソフトと、実際のテレビ会議に使うクライアント端末で構成した。一般的なテレビ会議システムは、40~50インチのモニタを活用するケースが多いが、新システムは汎用PCを活用する。テレビ会議システムで必要なケースが多い専用機器「多地点接続装置(MCU)」も不要で、クライアント端末を増やすだけで、最大122拠点を接続できる。
映像は、ditが独自開発した「H.264エンコーダ/デコーダ」を活用することで、遅延を100ミリ秒以下に抑えた。これにより、実際の動作とほぼ同じ速さで映像を映し出す。また、解像度はQQVGA(160×120ドット)からフルHD(1920×1080ドット)まで対応。音声も自社開発のエンコーダ/デコーダを採用することで、固定電話並みの品質を確保した。機能は、文書や写真、動画データを画面で共有する機能や、文字チャットを備える。端末はWindowsを採用するので、「XP」「Vista」で動作可能なソフトやデータは共有できる。
システム構成は、サーバー用ソフト「Day Connect PRO Server」と、ソフトとハードをセット化したクライアントPC。端末はデスクトップ3モデル、ノート型1モデルの4種類。デスクトップは(1)フルHD対応(2)VGA(640×480)対応(3)タッチ操作対応──で分けた。デスクトップの1モデルとノート型は、画面を指で触れてアプリケーションをコントロールするタッチ操作に対応。マウスやキーボードを使わずに操作できる。7月1日に発売するのはタッチ操作モデル(25インチ)で、他の端末は年内に発売する。価格はサーバーソフトが74万8000円。クライアント端末がタッチ操作モデルで69万8000円。そのほかの端末価格は未定。
顧客ターゲットは、拠点を複数持つ企業や、遠隔医療に関心が高い医療機関などを想定。販売手法はSIerなどのITベンダーを経由した間接販売を主体に考えている。下村社長は、「クライアントは、ハードは一般的なものでソフトもWindowsで動くので、ITベンダーが持つソリューションやパッケージと組み合わせやすい。新システムとITベンダーが持つ強みを連携させてビジネス展開してほしい」と説明。パートナーとの協業による拡販を主軸に展開する姿勢を示している。
ditによれば、国内テレビ会議システムの市場規模は約300億円という。早期に売上高10億円の達成を目指す。(木村剛士)
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