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米デバイスVM PCの瞬時起動ソフト、日本上陸 搭載メーカーとSIer開拓へ
2009/06/15 21:34
週刊BCN 2009年06月15日vol.1288掲載
「Splashtop」を使えば、パソコンの電源を入れて数秒で電子メールやゲームなどを使うことができる。BIOSが起動する前に同ソフトのユーザーインタフェース(UI)が表出し、アプリケーションに接続して利用できる。起動までいらいらせずに、数秒でメールをチェックしたいユーザーのニーズに応えた。日本の家電量販店では、同ソフトを搭載したアスース製パソコンが売られている。
日本での営業活動は、米ターボリナックスと日本法人の元CEO(最高経営責任者)で日本語が堪能なクリフ・ミラー氏がCSO(最高戦略責任者)として陣頭指揮を執る。ミラーCSOは「まずは、パソコンメーカーに搭載を働きかける」と語る。すでに夏モデルで同ソフトを搭載した機種が店頭に並ぶ見通しだ。
世界ではヒューレット・パッカード(HP)やレノボ、エイサーなどが同ソフトを採用。現在までに世界の出荷パソコンに累計1500万台前後が同ソフトを搭載している。ミラーCSOは「年内には3500万台になり、来年中には1億台を超す」と予測する。日本のパソコン市場は世界の3分の1を占めることから、来年中に日本で3000万台の搭載を見込んでいる勘定になる。日本市場への浸透次第で「OEM(相手先ブランドによる生産)のパートナー(パソコンメーカー)が増えれば、日本に事務所を構える」(同)考えだ。
一方、法人向けには、第二段階としてSIerとの連携を始める。現在、下準備として大手SIerを中心にアライアンス交渉を進めている。交渉のなかでは、シンクライアント的な利用ができないかという観点から、要望や感触をつかんでいるという。例えば、医療関係のMR(医薬情報担当者)などが病院で見積りをパソコン画面で見せる場合、瞬時に起動しデータセンターに接続して閲覧させることが可能になる。セキュリティ上もデータがパソコンに残らないため、万が一、端末を紛失しても安心である。
ミラーCSOは、こうした業種業務に応じた案件ベースでSIerと連携することを模索していく。(谷畑良胤)
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