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“情シス集約熱”高まる DCビジネス活発化 不況と設備増加が後押し
2009/04/13 21:30
週刊BCN 2009年04月13日vol.1280掲載
新規のシステム構築(SI)案件が伸び悩むなか、アウトソーシングは比較的好調に推移する傾向が見られる。世界大手アクセンチュアのアウトソーシング事業の第2四半期(2008年9月~09年2月)連結売上高は、グローバルで前年同期比約3%増えた。一方、コンサルティングとSIは同約2%ダウンしている。他の大手SIerをみても、SIよりもアウトソーシングのほうが底堅いケースが多い。
シマンテックが08年9月のリーマン・ショック以降、日本を含む世界の有力企業約1600社を対象に調査したところ、DCのコスト増が大きな課題として浮き彫りになった。過去2年間にDC予算が増えた企業はグローバル、日本単独ともに約7割を占める。この先12か月を見渡しても半数が“増加する”と回答。DCのコスト増に悩む企業が多い。逆の見方をすれば、「DCコスト増を解決するビジネスは大きく伸びる可能性がある」(シマンテックの朝倉英夫・データセンターマネージメントグループマネージャ)ということだ。
ITベンダーのDC設備はここ数年増加傾向にあり、国内でも大規模なDCが相次いで建設された。今年2月にはDC事業者のビットアイルが東京都内に最新鋭の「第4データセンター」を開設。ユーザー企業内での運用に比べてコストとCO2をそれぞれおよそ3割削減できるメリットを打ち出し、売り込みに力を入れる。3月にはNECグループと販売面での協業を発表。ほかにも伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)やシーイーシーなど大手SIerが相次いでDCを新設している。日本ユニシスは、GoogleやAmazonに対抗し得る低価格のクラウド型サービスへの参入を検討する。DCは稼働率が高いほど収益性がよくなるため、SIerはここぞとばかりにアウトソーシングの受注獲得に励む。
ユーザーの要求に応えるため、ハイエンドからローエンドに至る幅広いDCサービスのメニュー拡充に向けた投資の増加が見込まれる。ストレージの重複データを排除するソフトなどを持つシマンテックでは、「DC向けのビジネスは継続して拡大する」(朝倉マネージャ)と、期待を寄せている。(安藤章司)
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