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OIDF─Jが発足 第1期会員として32社が加入 企業主体でビジネス標準化などを検討

2008/11/17 21:12

週刊BCN 2008年11月17日vol.1260掲載

 インターネットにおけるユーザー認証技術の一つであるOpenID技術の国内普及、国際化を支援するため、有限責任中間法人のOpenIDファウンデーション・ジャパン(OIDF─J)が10月1日付で設立された。代表理事に就任したのは野村総合研究所(NRI)の八木晃二・基盤ソリューション事業本部 基盤ソリューション事業一部長。10月1日の正式アナウンスから1か月ほどで32社の会員企業が集まった。八木代表理事とNRIの工藤達雄・基盤ソリューション事業本部 基盤ソリューション事業一部 主任システムコンサルタントに、OpenIDファウンデーション・ジャパンの活動およびNRIのビジネスについて聞いた。

 OpenIDファウンデーション・ジャパンはNRI、日本ベリサイン、シックス・アパートの3社により、2月より発足に向けた活動を開始した。その後、OpenIDについての技術的な情報提供を図る「OpenID Tech night」の開催や、ポータルサイトやSNSサイト事業者のOpenID関連のサービス発表の支援、積極的なPR活動を行ってきた。

 10月1日に設立の正式なアナウンスを行ったところ、発足日の10月30日までに、ユーザー企業、メーカーやISP、SIer、大手ポータルサイトなど32社が参加。「こんなに集まったことに驚いている。水面下で動いているものも含めると、さらに多くの企業が加盟に向けて動いている」(八木代表理事)と話す。

 OIDF─Jの活動はOpenID技術に関連する公開仕様の日本語化、講習会やセミナーなどの開催。会員組織の運営やコミュニティへの技術提供となっている。OIDF─J側はあくまで受け皿として支援を行い、活動は会員企業が中心となって行う。「共通の目的を持った企業同士が主体となり、OpenIDを使った決済やさまざまなサービスについての標準化などを進めていくことになる」(NRIの工藤主任システムコンサルタント)としている。また、ID管理コミュニティのリバティ・アライアンスとも連携し、各種規格との連携・相互運用を検討していくとしている。

 OpenIDは米国で発祥したものの、その米国ではまだ、サイトでの認証でOpenIDが利用されている程度。よりセキュリティ要求の高い決済サービスなど実ビジネスでの活用では、日本が先行して模索しているという。一例としてNRIは、JALの会員IDを使って、旅行会社サイトのホテル予約も簡単にできることを挙げている。

 11月5日にはID情報を管理している企業間で認証と相互連携をサポートするソリューション「Uni─ID」を提供開始した。

 八木代表理事はNRIの立場から「さまざまなものをつなげて企業間連携を実現するのは、SIerの仕事であると思う。こうしたモデルは今後もどんどん広がっていくだろう」と語った。また「使い方や、新しい顧客基盤を確立するような、OpenIDのコンサルティングサービスも可能になると考えている」(工藤主任システムコンサルタント)としている。

OpenIDとは
 2005年に米シックス・アパートが開発した、複数のウェブサービスを一つのIDでの認証を可能にするもの。OpenIDを取得すると、対応サイトでの新規ユーザー登録を必要としない。海外で2万2000以上のサイトが対応しており、日本でも対応サイトが増えている。
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