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ディサークル 新販売モデルを導入 NIパートナーの拡充図る
2008/09/15 21:08
週刊BCN 2008年09月15日vol.1251掲載
同社は中堅企業向けのEIPパッケージ「POWER EGG(パワーエッグ)」でおよそ10年の実績をもつ。組織図にひもづいた本格的なワークフローを強みとしていて、競合製品を使っているユーザーの乗り換えも増えている。現在979社、19万8000ライセンスを導入しているが、今年9月には1000社の大台がみえているという。
同社はこれまで、パートナーのもっている基幹業務パッケージなどとSIにより連携するような「SI型」のビジネスモデルが主流だった。だが「なかなか数が出ない。当社としてはもっと製品を拡販していきたいという思いから、製品単体をネットワークやサーバーと組み合わせてNIerが販売するような『NI型』によるビジネスモデルを導入した」(西岡社長)。
また前版の「POWER EGG 1.x」がオールインワンパッケージ、オープンプライスであるために、パートナーによっては他社製品より高額な値段をつける場合もあり、逆に売りづらくなっているという課題があった。「POWER EGG 2.0」ではエンジン部分を基礎としてオプション機能を選択して追加する「カフェテリア方式」を導入。ライセンスあたりの価格を明確化してプライスダウンを図った。結果的に、製品単体として売りやすい仕組みを作ったことになる。NIモデルの展開により、「NIerを5-10社拡充していきたい。新規のパートナーに対しては、教育カリキュラムの作成など、支援を行っていきたい」(西岡社長)としている。NIモデルに大手プリンタメーカーの販社も注目し、「競合販社に対抗する手段として取り扱う方向で話が進んでいる」という。
来年度からはSaaSへの参入も視野に入れている。「製品単体での展開ではなく、例えばSFAで強みを持つ企業などと連携して、メーカー系やNIerのSaaS基盤から販売することを視野に入れている」。ただ、「サービス提供型は従来のSI販売モデルのマーケットを食う恐れがあることや、メーカー側との技術支援の検討、パートナーに対する評価など、考慮すべき点は多い」と西岡社長は慎重な姿勢を示す。
「POWER EGG 2.0」では各種調査結果などをもとに、運用定着・活性化を図るためのポイントとして、「ユーザビリティ」「運用性」、メンテナンスを容易にする「保守性」、また内部統制監査など、IT統制を実現させる「安全性」、外部システムや機能拡張などの「拡張性」の5項目を強化した。運用定着化を図るため、金沢美術工芸大学と産学協同で他社製品などを含め検証を行い、1年半をかけてユーザビリティを強化。入力インタフェースの操作性を統一し、ユーザーが頭の中で想像したとおりの動作を実現する「メンタルモデル」に配慮した。
また「ナレッジマネジメントは『感謝』『表彰』が運用の秘訣でもある」(西岡社長)として、ユーザーの参加を促す、ウェブ2.0の概念に基づいた双方向参加型の機能を実装。電子会議室などでの投稿に対して他の人が評価を付けることができる機能や、アクセス回数をポイント換算できる機能を取り入れた。さらにベースシステムにマスタ管理を一元化することで、他機能と連携しやすい仕組みを作ったほか、API強化により外部システムとの連携も容易にするなど豊富な機能を盛り込んだ。
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