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トーテックアメニティ 首都圏ビジネスに重点 100人規模の人員増強へ

2008/09/08 21:08

週刊BCN 2008年09月08日vol.1250掲載

 SIerのトーテックアメニティ(坂井幸治社長、名古屋市)は、首都圏でのビジネスを拡大させる。ネットワークエンジニアを中心に今年度(2009年3月期)末までに首都圏で100人規模の人員を採用。まずはデータセンター(DC)などの運用アウトソーシングの受注拡大を進め、段階的に業務システムやネットワーク構築の案件獲得につなげる。同社は名古屋地区の独立系SIer最大手だが、首都圏でのビジネスをより拡大させることで成長を加速させる。

 中部地区では総合SIerとして民需から公共に至るまで幅広くビジネスを手がける同社だが、首都圏ではまだ十分な人員体制ではなかった。技術者を志す若手を中心に首都圏での人員採用を進め、2か月の技術研修を実施。その後、DCの運用アウトソーシングなどの実務経験を積んでもらうことで人材基盤の拡充を急ぐ。

 今年度は10人規模の技術研修クラスを10コースほど開設する。主にネットワーク技術の習得を目指すもので、研修終了後にはシスコシステムズの基礎的な認定資格を取得する技術水準まで高める。今年度は通期で100人規模の人員を採用する予定。同社のネットワーク構築やPBX販売などを手がけるネットワークソリューション事業部の8月時点の人員数は150人弱。今年4月から首都圏での採用を進めている。今年度末までには同200人程度に拡大する見込み。

 DCやブロードバンド無線ネットワーク、ユニファイドメッセージ(UC)の需要が拡大するなか、「ネットワーク関連の技術者は慢性的に不足している」(高木一夫・執行役員ネットワークソリューション事業部長)とみる。とくに不足が深刻な首都圏でビジネスチャンスが大きいと判断している。まずは、運用アウトソーシングで客先に常駐するタイプのビジネスを拡大させ、段階的にシステムやネットワーク設計や構築などにビジネスの範囲を広げていく。

 もともと総合SIerであることの強みやノウハウを生かすことで、首都圏においても「業務システムやネットワーク構築など多彩なビジネスを拡充させる」(萱原昇・取締役常務執行役員)考え。人材を採用するに当たっても、運用や設計、構築など幅広い分野でビジネスを伸ばし、「将来のキャリアパスを描ける事業モデルを共に築く」ことを訴求。技術者の採用競争が激しいなかでも、優秀な人材の確保に努める。

 昨年度(08年3月期)の連結売上高は前年度比17%増の171億円、営業利益は同60%増の8.2億円と売り上げ、利益ともに過去最高を記録。IT投資が堅調だったことや、アウトソーシングビジネスを伸ばしたことが奏功した。今後は中部地区はもとより、首都圏でのビジネスも拡大させることで2010年3月期に売上高220億円、営業利益11億円を目指す。
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