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内田洋行 ユビキタス戦略を加速 開発体制を一新

2008/08/25 21:06

週刊BCN 2008年08月25日vol.1248掲載

 内田洋行(柏原孝社長)は、ユビキタス戦略を加速させる。主力事業のオフィス家具や学校向け商材にITの要素を盛り込むことで、競争優位性を高める。今年度(2009年7月期)からオフィス家具の開発体制を刷新。従来型のオフィス家具とユビキタス対応の家具の開発組織を一本化した。ITを駆使したユビキタス性を前面に打ち出すことで、収益力の拡大を目指す。

 内田洋行は情報システムとオフィス家具、教育の3分野を主力事業としている。だが、オフィス家具は景気動向に影響を受けやすく、学校分野は自治体の予算に左右される傾向がある。ここへきて景気の減速感が強まるなか、外部環境への依存度が高いオフィス家具や教育分野は苦戦気味。そこで打ち出すのが、より一層のユビキタス化の推進である。

 7月21日付で社長に就任した柏原孝社長は、「外部環境に依存する事業構造の変革を加速させる」と、オフィスや学校分野の改革に力を入れる。具体的には、情報システムで培った技術を家具や教材に応用することで、新しい需要を創出。ここ数年、横ばいが続く業績の改善につなげる。

 オフィスや教室の空間そのものをIT化することで、いつでもどこでもITを活用できる“ユビキタス環境”を構築する戦略だ。すでに、売上高全体の半分余りはITを活用した商材が占めるまで拡大している。今期から従来型のオフィス家具とユビキタス対応のオフィス商材の開発体制を一本化し、ITに強い「当社の強みをさらに前面へ押し出す」ことで、外部環境の影響を受けにくい体制づくりを進める。

 ただ、課題もある。内田洋行の情報システム事業は、中堅企業向けERP(統合基幹業務システム)のスーパーカクテルシリーズに代表されるように、中堅・中小企業をメインターゲットとする。一方、ユビキタス対応のオフィス家具は、大企業から順次採用される傾向が強く、現時点での両事業の相乗効果は限定的との見方がある。さらに、販売チャネルが3事業とも異なる部分が多いという問題もある。

 柏原社長は、「まずはターゲットとするユーザーの共通化を進める」と、全社で共有可能なターゲットユーザーを増やすことで相乗効果を高める。例えば、顧客の企業規模に合ったユビキタス商材の開発やソリューション販売の成功事例を積み重ねていくといったことだ。販売チャネルである直系販社やビジネスパートナーとノウハウを共有し、ユーザー層を拡大させる。これにより3事業の相乗効果を高め、ビジネス伸長に結びつける狙いだ。
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