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日本エフ・セキュア 新社長が正式就任 現状見直し下期戦略つなげる

2008/06/09 21:02

週刊BCN 2008年06月09日vol.1238掲載

 日本エフ・セキュアの新社長に、デルでエンタープライズ・マーケティング本部長を務めたキャリアをもつ桜田仁隆氏が5月26日付で就任した。同氏は、エフ・セキュアのビジネスの見直しを行ったうえで、下期以降に具体的な戦略に落とし込んでいく構えだ。前年度(2007年12月期)の売上高は9億9200万円だが、今年度(08年12月期)では2ケタ成長を目指す。

 新しく就任した桜田氏は、03年3月にデルに入社しエンタープライズ・マーケティング本部長を務めた経験をもつ。サーバーやストレージ、ネットワーク製品のマーケティングや需給管理とアライアンスを統括し、パートナー企業との協業を進めた。今年4月まで、代理店事業推進室室長として新規事業の立ち上げに携わった。

 同氏はこれまでのエフ・セキュアのビジネスに対し「知名度が高くないがゆえに、メリットが伝え切れていなかったことや、目的が明確でなかったことが課題」として問題点をあげた。「目的を達成するために何をするのか、どのようなパートナーと組むのかを選択していく必要がある」とも述べた。だが、大がかりな変更は既存パートナーに対し、混乱を与えかねないことから、これまでどおり既存パートナーとの関係を生かしながら、「エフ・セキュアが弱かった販路を補完できるパートナーとの協業も視野にいれている」としている。具体的な施策を発表するのは下期以降となる。

 また事業についても現状から大きく変えることはしない。桜田氏は昨年6月から提供しているSaaSに着目し、「新しい試みで、費用対効果も出やすい。今年はSaaSが急速に伸びるのではないか」と述べた。今年度(08年12月期)では2ケタ成長を目指す。

 桜田氏は今春内定し、5月26日、正式に就任した。それまでエフ・セキュアとのビジネス上の接点はない。同氏は「知名度がまだ上がりきっていないところにビジネスの伸び代があると感じた」と就任理由を話す。同社に対しては「長らく外資系企業に勤めてきたがこれまでは米国で固めた戦略を各国で展開するような企業がほとんどだった。エフ・セキュアはある決まりのなかにも、各国の状況をみたうえで、判断を任せてくれる柔軟性もある」と評価した。

プロフィール
 1965年8月25日生まれ。90年9月ネットワンシステムズ入社。その後日本ニューブリッジ・ネットワークス、フォアシステムズ・ジャパン、マルコーニ・コミュニケーション・ジャパンを経て、00年7月Springtide Networksの日本代表就任。00年9月に同社が米国Lucent technologyに吸収合併されたことにより、日本ルーセント・テクノロジー(現日本アルカテル・ルーセント)に入社。03年3月にデルに入社。08年5月より現職。
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