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大塚商会とOSK 「SMILE」を「OSKブランド」に
2007/10/08 22:22
週刊BCN 2007年10月08日vol.1206掲載
IBM販社の「新商流」生む
マルチDB開発、DB2にも対応

ブランド移管に合わせ投入した「SMILEis」は、「.NETフレームワーク」で開発。最新OSや64ビットに対応したほか、アプリケーションの実行環境や各種ログ機能、ユーザー権限など「内部統制」に対応するセキュリティ機能を搭載した。特に、マルチデータベースを実現することを目指した「DAC」と呼ぶミドルウェアを独自開発する点が注目される。
OSKによれば、「DAC」は「マイクロソフトが提唱する『ODBC(Open DataBase Connectivity)』に似た考えで、切り替え機能をもつことで、SQLサーバー、オラクルDB、DB2など、複数DBに対応しやすくする」という。データベースのバージョンアップやリプレースで必要となるコーディングなどの工数を大幅に削減できる。
既存の「SMILEα」を導入したユーザー企業は、スタンドアロン版の8割弱がSQLサーバーを採用し、残りがオラクルDBだ。LAN版は、両DBで半々を占める。これまで、IBMのDB2を搭載したのは、日本IBMが展開するISV戦略に関連したケースだけで、「ほとんど採用例がなかった」(田中努・代表取締役専務)という。
9月26日に開催された「SMILEis」の発表会見では、OSKの情報系ソフト「eValue」を販売する日本IBMの付加価値ディストリビュータ「VAD」2社のうちの1社である日本情報通信(NI+C)の富田修二社長が、「『eValue』をはじめ、DB2を含めた『SMILEis』を顧客に紹介することもある」と、日本IBM販社として初めて「SMILEシリーズ」の販売を明言した。
今回、「SMILEシリーズ」が「OSKブランド」に移管した意義は大きい。「大塚商会」という冠があることで、同社と競合するNI+CなどITベンダーは、「SMILEシリーズ」の販売チャネルに加わりにくい面があった。DB2を採用したことも含め、今後OSKは、例えば、NI+Iを通じて同社の「2次店」であるIBM系列販社に対する「新商流」が築けそうである。逆に、大塚商会は「SMILEシリーズ」一辺倒の販売でなく、提携関係にあるNECや日本IBM、日本ヒューレット・パッカードなどが勧める各社サーバーと連携性の高いERPなどの商材を積極的に提供することができるようになる。
「SMILEis」で採用したマルチDBなど新プラットフォームは、「SMILEシリーズ」の上位版、中堅・大企業向けERPにも採用されることが予測され、中堅中小から大企業まで、全エリアで販売チャネルを拡大できそうだ。
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