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中国 マイクロソフトVS中文2000 オフィスファイル形式の攻防のゆくえ

2007/09/24 22:20

週刊BCN 2007年09月24日vol.1204掲載

 【上海発】2006年5月、ISO(国際標準化機構)により、ODF(Open Document Format)がISO/IEC263000国際標準として認可された。ODFとは、オープンソースオフィスソフト、OpenOfficeまたはその派生製品(例えばサン・マイクロシステムズのStarOfficeや中文2000のRedOfficeなど)に採用されたXMLベースのファイル形式で、標準化団体OASISが標準化したもの。ODF1.0は、05年5月にOASISの基準として承認され、9月にPAS(公開仕様書)としてISO/IEC JTC1に提出された。

 ODFの登場は、マイクロソフト・オフィス・ドキュメントとの互換性を持たせるために頭を悩ませているマイクロソフトのライバルにとっては、何よりの福音になるだろう。

 06年8月、IBMは次世代Lotus NotesにODF対応が実装されることを発表した。一方、各国政府も情報セキュリティを考慮し、ソフトウェアサプライヤーにオープンなファイル形式の使用を促している。

 例えば、米国マサチューセッツ州役所は、市民の閲覧上の便宜を図り、テキスト、PDFまたはODFのようなオープンドキュメントの使用を推奨し、プライベート形式を避けるように求めた。また、中国政府も、独占ソフトウェアベンダーに依存するリスクを認識し、02年より、大学、研究所、企業から専門家を集め、ドキュメント相互運用性の研究タスクフォースを組織した。5年目となる今年4月、このタスクフォースから出された「中文オフィスソフトウェアドキュメント形式規範」(UOF)は国家標準化委員会の審議を経て国家基準となった。また、ODF・UOFの互換についての研究も緊密に行われている。

 ODFの存在はマイクロソフト・オフィスの独占的地位を脅かしている。バイナリからXMLへという時代の流れに従い、マイクロソフトは時を移さず、OOXML(Office OpenXML)を打ち出した。06年12月11日、マイクロソフトのOOXMLは、ECMA(ヨーロッパ電子計算機工業会)により標準化されたが、07年7月13日に開催された、米国規格協会(ANSI)認定の標準案策定組織INCITSの会議は通過しなかったようだ。にもかかわらず、ECMAの提案に基づき、OOXMLを国際基準に認めるかどうかについて、ISO/IEC JTC1は今年の9月3日の会議で投票を行っている。

 もしマイクロソフトのOOXMLがISO標準になれば、ODFもUOFもただの「飾り」となることは必至だ。一方でOOXMLが標準とならなければ、マイクロソフトが本当にODFまたはUOFを受け入れるかどうかも疑問だ。
 魏鋒(ウェイ・フェン=ACCS上海事務所所長、shanghai@accsjp.or.jp)
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