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日本IBM 次期ノーツ投入を機にクライアント戦略を加速 主導権確保を狙う
2007/06/25 21:40
週刊BCN 2007年06月25日vol.1192掲載
同社はクライアント向けのミドルウェア「エクリプス」をオープンソース化するなど、従来からプラットフォームづくりに取り組んできた。だが、クライアントのプラットフォーム領域ではマイクロソフトの強い影響下にあり、これを覆すことは容易ではない。そこで、優良顧客を多く抱える人気グループウェアのノーツを独自のプラットフォーム上で動作させることで、同分野におけるシェア拡大を図る。
今秋にも投入予定の次期ノーツの日本語版は、複数のOSで動作可能なエクリプスをベースに機能を大幅に強化したプラットフォーム「エクスペダイター」上で稼働する。次期ノーツの出荷が始まれば、売れた数だけエクスペダイターのユーザーが増えることになる。ワークフロー機能で定評があるノーツは、「内部統制の強化などの需要をうまく捉えてグローバル規模で売り上げが拡大。今後も販売増が期待できる」(澤田千尋・ロータス事業部長)といい、次期ノーツの投入をテコに独自プラットフォームの普及に努める。
エクスペダイター対応のアプリケーションの品揃えも強化する。すでに国内ISVへの働きかけを始めており、これまで20社あまりがエクスペダイターへの対応を表明している。
7月末から開催するイベント「ロータスデー2007」では10社ほどのISVが対応アプリケーションを発表する予定だという。来年前半には次期ノーツへの移行が本格的に始まるとみられており、これに合わせてISVやSIerなどによる対応アプリケーションの開発が活発化する見通しだ。
クライアントを巡っては、従来のクライアント/サーバー(C/S)型に代わり、管理や機能拡張が容易で表現力もあるRIA方式が台頭している。RIAで主導権を握れば、マルチOS化の推進などでOSへの依存度が低下。クライアント向けアプリケーションのビジネスを有利に展開できる可能性がある。次期ノーツの拡販によってエクスペダイターの普及促進を図るとともに、ISVやSIerを巻き込んだ有力商材の品揃えを強化することで、クライアント向けビジネスの拡大を目指す。
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