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日立電線 中小向けIP-PBX本格化へ 07年度に10億円の売り上げ目指す アプリ連動強化で顧客開拓

2007/04/02 20:00

週刊BCN 2007年04月02日vol.1181掲載

 日立電線(佐藤教郎社長)は、中小オフィス向けIP-PBX事業の本格化を図る。IPコミュニケーション製品「アクアヴォーカル」を中心に、アプリケーション連動の強化でユーザー企業を開拓。2007年度(08年3月期)に10億円の売り上げを目指す。

 「アクアヴォーカル」は、IP-PBXとゲートウェイの両機能を融合させた製品。導入は5ユーザーから可能で、小企業やSOHO、大企業の支店などを顧客対象としている。昨年10月から販売を開始、06年度はハードウェアを中心とした展開だったが、「これまで積極的にアプリケーションの拡充を推し進めてきた。これによって、事業拡大を図るうえでの基盤が整った」(高橋謙・情報システム事業本部情報通信営業統括部FMC営業部主任)とみており、07年度から一気にユーザー企業を増やす方針だ。

 まず、アプリケーション連動のシステムとして「受付システム」を提供。同システムは企業の受付に設置、デスクトップパソコンを通じて訪問者による訪問相手先の呼び出しを可能とした。価格は19万8000円。システムについて高橋主任は、「通常の受付システムは設置費用に120-130万円かかる。しかし、当社のシステムは、パソコンとの連動で低価格化を実現した。このため、少人数のオフィスでも手軽に導入できる」点をアピールする。

 ほかにも、パソコン画面から相手に直接電話をかけることができるアプリケーションサービス「クリック・トゥー・コール」を近く提供する予定。同アプリケーションは発信をパソコン、通話を電話で行え、価格は1クライアントで3000円程度と廉価だ。07年前半までには「ERPやCRMなどのアプリケーションとも連携させるため、ISVなどに対してAPIを公開する」(高橋主任)ことも計画している。

 また、社内で内線電話、外出先で携帯電話として利用可能な「デュアルフォン」とアクアヴォーカルを連動させたモバイルセントレックスシステムを提供することで「モバイル利用者が多い企業をユーザーとして獲得する」(高橋主任)ことにも力を注ぐ。

 本間豊・情報システム事業本部情報通信営業統括部FMC営業部長は、「中小オフィス向けIP-PBX事業で最低でも売上高10億円のビジネスに引き上げる」計画を掲げている。
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