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ビジュアルサイエンス研究所 紙とデジタルデータを関連づけ ゲームや商品の真偽判定でも展開
2006/12/04 18:09
週刊BCN 2006年12月04日vol.1165掲載
関連会社グリッドマーク(黒川湛社長)を通じて販売し、今期(2007年6月期)10億円の売り上げを目標としている。
赤外線を反射する「ノンカーボンインク」で印刷したグラフィックやテキストの上に、赤外線を吸収する「カーボンインク」でドットパターンを重ねて印刷する。
PCに接続した赤外線小型カメラ搭載の「グリッドスキャナー」でドットパターンをタッチして読み込むと、指定したウェブサイトなどのコンテンツを呼び出す仕組み。ドットに透明なインク「ステルスインク」を使えばデザイン性を損ねることがない。
紙媒体の長所である保存性と一覧性を生かしつつ、インターネットなどデジタルメディアの利点である、より詳細で常に新しい情報を提供できる。国内外問わず、あらゆる場面での利用が見込め、すでにバリアフリーシステムや販促ツール、通販カタログなどで採用されている。「Grid Onput」を応用したアーケード用のカードゲームも開発されており、今後もゲーム業界への売り込みに注力する。
また、コピーによる偽造ができない特長を生かして、商品タグをつくり、専用スキャナで本物かどうかを判別する用途での製品展開にも力を入れる。
販売代理店のフォルトゥーナは、コンテンツ開発も含めて、サービスとして同製品を展開していくとしている。フォルトゥーナの若杉圭子取締役事業企画・マーケティング部長は「自社で取り扱う医療系のCDやDVDなどのマルチメディア教材とのタイアップを計画中」とのことだ。
「Grid Onput」はもともとバリアフリーを実現するために開発されたものだ。「お年寄りや幼児に使いやすく、さまざまなアプリケーションに合わせたインターフェースがあってもいい」(ビジュアルサイエンス研究所の吉田社長)との発想が開発につながった。素材として紙を使うことで、アプリケーションにあわせた形状の『ペーパーキーボード』といったものでも簡単につくり出すことを可能にした。
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