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リコー IP-FAXがシスコ製に対応 FAX用の電話回線が不要に
2006/10/30 18:04
週刊BCN 2006年10月30日vol.1160掲載
シスコのプログラムは、音声・データ・映像コミュニケーション製品やアプリケーションを統合したシステム「Cisco Unified CallManager Ver4.1(CUC)」に関連する相互運用可能なソリューション開発を提供する「Cisco Technology Developer Program(CTDP)」。この認定では、リコーの「IP-FAX」搭載のデジタル複合機(MFP)「imagio MP C3000/C2500シリーズ」とビジネスFAX機「RIFAX ML4600S」が取得した。
この取得により、データや音声(VoIP)の通信インフラをIP網に移行し、CUCで制御してPBX(構内交換機)を廃止できる。これまでは、企業内がIP網で整備されている企業でも、通常電話網で利用するFAXや「IP-FAX」でさえ、特別にPBXを設置し、電話回線で送受信していた。しかしシスコの認定後は、CUCとVoIPゲートウェイを経由して、社内IP網で送受信ができるようになる。これにより、最大A3判(最大600dpi)までの高画質で送ることが可能になり、通信費が不要になるメリットが生まれる。
加えて、シスコのセキュリティ機器で守られたIP網を利用するため、電子メールと連携させパソコンにカラースキャンデータを送信でき、受信FAXを機器から電子メールでパソコンに転送するなど、セキュア環境で文書管理を効率化できるという。
リコーの明泰治・商品計画室商品計画1グループリーダーは「これまで、『IP-FAX』搭載のMFPの場合は、IP回線と別にFAXのためにアナログ電話回線を引く必要があった。『IP-FAX』普及へ弾みがつく」と明るい見通しを語る。同社は2002年5月から、順次「IP-FAX」と、これを搭載したMFPを発売し、全出荷台数の5-6割に達している。しかし、IP網で利用される「IP-FAX」は、出荷数の1割程度と低く、これを拡大するために通信機器メーカーとの連携が必須となっていた。これを機に、シスコ日本法人のチャネルであるNIerとの連携を積極化するほか、グループ会社で通信機器を扱うリコーテクノシステムズでも「IP-FAX」の取扱量を増やし、金融機関などを攻略する方針だ。
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