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LPI─J 中立的なLinux認定資格制度 累計受験者数が6万人弱に 上級者向け「レベル3」試験も追加
2006/06/26 17:54
週刊BCN 2006年06月26日vol.1143掲載
「LPIC(Linux Professional Institute Certification)」は、世界共通のLinux技術者の認定試験で、全世界で12万人以上の受験者がいる。日本国内での受験者数は今年5月末の段階で全世界の約半数を占める5万8400人となった。全体の6割が社会人で残りが学生という。
運営本部は、カナダのトロント市にあり、LPI─Jは日本支部で2000年7月から活動を開始した。日本以外にも10か国以上に支部がある。
LinuxディストリビュータなどITベンダーが自社製品の技術に関して試験・認定する資格制度とは違い、LPICは「中立的な立場で、ベンダーニュートラルにLinuxの技術力を総合的に試験し認定する」(成井理事長)。LPI─Jのスポンサーとして、ミラクル・リナックスやターボリナックスなど複数のLinuxディストリビュータが参加しているほか、NECや富士通、日立製作所などLinux事業を強化する大手コンピュータメーカーもメンバー。合計15社がスポンサーだ。
試験および認定コースは、基礎的な知識・技術の「レベル1」と、応用的なスキルも問う「レベル2」の2つ。レベル1では、「インストール」や「コマンド」などの基本的な知識を問い、レベル2では「モジュール」や「ファイルシステム」、「Samba」などについて試験する。それぞれの試験時間は90分で、60-65個の筆記問題の解答結果で合否を判定する。
パソコン教室やIT系専門学校など約30の企業・団体が「LPICアカデミック認定校」として教育および試験の運営を代行している。合格者数は、5月末時点で「レベル1」が1万5652人で、レベル2が3436人。
LPI-Jでは、来年1月には「レベル3」を新たな試験コースとして始める計画。「UNIXやWindowsも入っている情報システムでLinuxをどう組み合わせてインテグレーションしていくかなど、SIのためのより具体的な知識とスキル内容を問う」(成井理事長)ことにしている。
コースの充実を図ることで、Linuxの認定資格制度の標準を目指す。受験者数は今夏で累計6万人を突破するのは確実で、2-3年以内に10万人の突破を予定している。
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