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富士通 PCサーバーの量販体制を強化 来年度25%増へ

2006/02/13 12:54

週刊BCN 2006年02月13日vol.1125掲載

 富士通(黒川博昭社長)は、来年度(07年3月期)のPCサーバー出荷台数の目標を今年度比約25%増の10万台とした。これまで地域拠点に分散していた量販を担当する営業機能を本社に集約、販売体制を強化する。外資系ベンダーがローエンドのPCサーバーを軸に出荷台数を伸ばしており、富士通はシェア低迷に甘んじていた。量販営業体制の強化で来年度通期の台数シェア20%以上を確保する。

 これまで、ローエンドサーバーの販売は地域拠点が担当していたが、粗利率が低いこともあり、地域によって販売体制にバラツキが生じていた。東京本社に量販の営業機能を集約することで、全国規模での営業力の底上げを図る。PCサーバーの量販営業を担当する組織は20人余りの体制になる見込みで、今年4月に本格的に立ち上げる。

 量販営業は、セキュリティやファイルサーバー関連などパッケージ化しやすい分野を中心に位置づける。企業ガバナンスを強化する内部統制関連のシステムなど、需要の拡大が見込める分野で提案の迅速化を進める。また、地域拠点に併設してある展示会場などで、顧客担当者が直接触れられるデモシステムを増やし、商談スピードの向上を図る。

 ボリューム領域における商談数を増やし、「1案件あたりの商談サイクルを短縮することで販売増に結びつける」(中村巧・経営執行役首都圏営業本部長)と、量販効率を高める方針。富士通は基幹業務システムを支えるハイエンドサーバー販売に軸足を置く傾向にあったが、台数シェアを稼げるローエンドサーバーの販売体制を立て直すことで、シェア低迷に歯止めをかける。

 PCサーバー市場は、景気回復による設備投資の拡大などで出荷台数は順調に伸びており、ここ2-3年内には年間出荷台が60-70万台規模に拡大すると予測。市場が拡大基調にある今のタイミングで、従来のソリューションやソフト・サービスのビジネスに偏りすぎていた体制を見直すことにした。

 利幅の薄いローエンドPCサーバーは、ある程度の販売ボリュームがないと利益を確保しにくい。昨年度のPCサーバーの出荷台数実績は約7万台、今年度は約8万台の見通しだが、市場が急拡大する中でシェアを伸ばし切れずにいた。来年度は10万台の出荷を目指すことで、シェア拡大を目指す。
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