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MCJ 中小対象のSIビジネスに着手 ソフトを含めた統合システムを販売

2006/02/06 12:54

週刊BCN 2006年02月06日vol.1124掲載

 BTOパソコンメーカーのMCJ(髙島勇二社長)は、システムインテグレーション(SI)事業に着手する。

 パソコンやサーバーなどのハードウェアとアプリケーションソフトの組み合わせで顧客ニーズに合ったシステム構築に力を注ぐ。パソコンの拡販に力を注いできた販売スタイルの刷新で、中小企業を中心に需要を掘り起こし、06年度(07年3月期)には新規顧客として800社程度の獲得を目指す。

 同社は、ハードメーカーやソフトメーカーとのアライアンスなどでSIビジネスを本格的に着手する体制を整える。すでに今年度下期から準備を進めており、このほどCRM関連ビジネスを手がけるイーシステムグループと協業。MCJの法人向けパソコン販売に加え、将来的にはイーシステムと共同でCRMアプライアンスサーバーの販売も見込む。

 現段階では、具体的な導入に結びついていないものの、「複数社から引き合いがあった」(小松永門・上席執行役員営業統括本部長)と立ち上がりの反応はまずまず。「ハードのみの販売と比べ、ソフトウェアを含めたシステム提案で企業ユーザーの導入意欲を促進させることができる」としている。

 サーバーやワークステーションの販売については、システム開発を手がける子会社のシネックスと連携を図る。シネックスでは、ノート型のシンクライアント端末も開発しており、「さまざまなハードと、ソフトを組み合わせてセキュリティソリューションのような統合システムを提案できる体制が整ってきた」としている。

 ほかにも、ビジュアルテクノロジーと高性能サーバーやワークステーション開発で提携した。保守・サポートについては、コールセンターの運営などを手がけるウェルコムを子会社化した。

 システム構築の対象顧客は、まず2500社以上あるMCJの既存顧客に対して販売のアプローチをかける。新規顧客の開拓については、社員300人以下の企業に主軸を置き、「来年度には、800社程度の新規顧客を獲得する」と意欲を燃やす。

 SIビジネスの着手に踏み切ったのは、「パソコン販売だけに固執していても、顧客ニーズに対応できない」ためだ。法人向けパソコン市場は、低価格競争が一段と激化しており、利益率が低下する傾向が強い。

 MCJも、BTOパソコンショップを運営するアロシステムと部材調達で業務提携を結び、大量調達で製造のローコスト化を進めてきた。しかし、低価格を武器としたビジネスでは、薄利多売で利益の絶対額は低くなる。

 しかも、最近では直販モデルのデルを筆頭に、BTOビジネスを展開するメーカーが増えて、「BTOだけでは差別化につながりにくい」という。

 同社の法人ビジネスの売上構成比は、全体の30%以下だが、伸び率に関しては「前年度比20%増の見通し」と自信をみせる。

 SIビジネスが本格化する来年度には、「成長率を30%増の軌道に乗せたい」考え。
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