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弥生 製品出荷などは変更せず
2006/01/30 12:50
週刊BCN 2006年01月30日vol.1123掲載
相馬取締役「事件による影響はない」
弥生は03年2月、前身のインテュイット時代に米本社からMBO(経営陣による企業買収)をして分離独立して新たにスタートした。このMBOに出資したのが、ファンド会社のアドバンテッジ・パートナーズで、弥生株の100%近くの株を保有し、経営をサポートしてきた。04年12月にライブドアへ全株を譲渡する際の交渉は、アドバンテッジ社に一任。今回報道されている一連の嫌疑については、弥生がライブドアグループ入りする前のことであり、まったく関係ないとの認識をホームページ上で公開している。弥生によると、事件発覚後もソフトの売れ行きは好調で、目立った影響は出ていない。しかし、年度末に業務ソフトの需要期を迎えるため、「事件絡みの混乱で最大の需要期を逃すと挽回できない。特に買収などの憶測が広がると、サポート契約などに影響が出てくることを警戒している」と、余震を心配しつつも、例年通りの拡販戦略を講じていく方針だ。
「まだ、数日間の出来事で、どんな影響が出てくるかは不明だが、今は、年度末商戦をいかに戦うかということに集中している。この一件があって実績が昨年より落ちたといわれたくない」と話す。
一方、インターネット事業では、ライブドアとの相乗効果を図るために、金融関連での連携を強化してきた。ライブドア・クレジットとは、弥生ソフトを使う経営者向けに資金調達を支援する「弥生の経営者応援ローン」というサービスを行っているが、「経営者向けの個人融資はそれほど重視していないこともあり、業績に及ぼす影響はない」という。
金融関連では、ライブドアグループに加わる以前にあおぞら銀行と提携し、法人向け融資サービス「ネットチャネル事業ローン」を実施している。弥生独自で今後も他の金融機関と連携して、各種サービスを拡大していく計画だ。
昨年は、中小規模向けのスタンドアローン版に加え、中堅中小企業向けのネットワーク版を出し、“新機軸”を打ち出した。
「ネットワーク版は、計画通り、ラインアップを増やす。スタンドアローン版も、法令改定に伴い、毎年新バージョンをリリースしていく。当社は実態の伴った商売をしている」と、例えライブドアが破綻しても、企業価値が下がらないことを強調している。
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