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東芝情報機器 06年度早々に再度「TIE会」を設置 パートナー獲得に意欲

2005/12/19 12:47

週刊BCN 2005年12月19日vol.1118掲載

 東芝情報機器(TIE、小川暢久社長)は、販売パートナーで構成する組織「TIE会」を06年度(07年3月期)再度立ち上げることを明らかにした。パートナーにメリットの高い販売プログラムの策定を急ぎ、旧東芝製オフコンを取り扱ってきたディーラーを中心にパートナー化に力を注ぐ。今年度は、プリンタ事業を切り離したことで売上減の見通しだが、パソコンの拡販体制を強化することで来年度には確実に売上増に結びつける。

 TIEのパートナーは現段階で40社程度で、パソコンベースのシステムを構築できるシステムインテグレータが中心。今年10月1日付けでプリンタ事業を東芝テックビジネスソリューションに移管したことで、パートナー数は約2割減少しているが、「パートナーを増やすことで販売ボリュームを高め、売り上げを確実に増やす布陣を敷く」(小川社長)方針。

 まずは、疎遠となっていたオフコンディーラーに対し、「当社のパートナーとして戻ってくるように話を持ちかけている」という。最近では、旧オフコンディーラーがオープン系システムを構築する傾向も高まっている。「当社がソリューションを提供していく会社として生まれ変わろうとしていると伝えたところ、多くのディーラーがパートナー契約を検討している」状況にある。このため、同社のパートナーになることによるメリットを明確化するための販売プログラムを早急に策定するほか、「パートナーを増やすため、年始にはパートナーとのコミュニケーションを深めるための“懇親会”を各地で実施する」予定だ。

 既存パートナーとの関係については、「マーケットに合ったソリューションを当社が提案し、パートナーがアプリケーションソフトの開発を行うというサイクルの構築が進んでいる」ことから、「システムの構築に加え、サービスやサポートの提供など粗利率の高いビジネスを展開することで、利益を増やせる体制が整いつつある」と自信をみせる。

 システムの提供では、文教市場などTIEが得意とするマーケットに注力し、同マーケットでのシェアを伸ばすことに力を入れる。

 主力のパソコン販売については来年度以降、「最低でも年率2ケタ成長を狙う」と意欲的。プリンタ事業の切り離しにともない、多くのパートナーが東芝テックに移管したことが、今年度の売上減の大きな原因だが、この結果「パソコンおよびシステムソリューションの提供に集中できるようになった」。対象顧客である中堅企業市場でシステムのオープン化に対する需要が眠っていることから、「システム案件はまだ増える状況にある」という。企業向けパソコン市場のシェアについては「現段階で15%未満で推移しているが、来年度には20%まで引き上げる」方針。
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