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IBMビジネスコンサルティングサービス 最大で約200人の要員を投入 内部統制事業の体制強化 IBMグループ一体で関連IT需要獲得へ

2005/11/21 12:44

週刊BCN 2005年11月21日vol.1114掲載

 アイ・ビー・エム ビジネスコンサルティングサービス(清水照雄社長)は、コーポレートガバナンス(企業統治)に必要な内部統制のコンサルティング事業を強化する。業務プロセスやIT統制、財務会計などの内部統制に関係が深いスタッフ約400人のうち最大で約200人を、今後1-2年のうちに需要動向を見ながら同事業に投入していく。顧客の内部統制の体制づくりを支援すると同時に、関連するIT需要の獲得を目指す。

 内部統制の強化に関する事業は、大きなビジネスチャンスが見込めることから、大手コンピュータメーカーを巻き込んだ激しい受注競争が始まっている。IBMグループも、内部統制で先行する米国で積んだノウハウを武器に、国内の内部統制関連事業の拡大に力を入れる。

 日本アイ・ビー・エム(日本IBM)のグループ会社でコンサルティング事業を行うIBMビジネスコンサルティングサービスでは、株式を公開している顧客企業を中心に、「内部統制強化の引き合いが急増している」(中塩慎一・IBMビジネスコンサルティングサービス・インダストリアル事業本部AIコンサルティング・パートナー)として、体制の強化に着手することを決めた。

 今のところ内部統制に特化した部門を設ける予定はないとしているが、業務プロセスの改善やIT統制、財務会計などの専門スタッフ約400人のうち、必要に応じてコーポレートガバナンスに強い人材を中心に最大で約200人の投入を示唆する。ITを活用したコーポレートガバナンスについては、IBMグループ全体で早くから取り組んでおり、社内でITガバナンスのフレームワークを独自に制定している。

 米国では、2004年に内部統制の強化を含む企業改革法(サーベンス・オクスリー法=SOX法)が施行されたことで、多くの企業が内部統制の強化に巨額の投資を強いられた。しかし、米IBMは、自前でITを活用したコーポレートガバナンスの体制を構築していたため、「SOX法で規定されたガバナンスの強化に関して特別な投資を行う必要がなかった」(同)という。IBMビジネスコンサルティングサービスでは、この米SOX法を乗り越えてきた実績を生かすことで、日本国内の内部統制関連事業にもすばやく対応できると強調する。

 国内の大手ITベンダーが自社の内部統制強化の作業に追われる一方で、同社をはじめとするIBMグループは、顧客の内部統制強化を支援できる体制が整っていることを強みに、国内の競合他社に先駆けて本格的なビジネスに結びつけていく考えだ。

 IBMビジネスコンサルティングサービスはコンサルティングなど主として上流工程を担当し、ITの実装部分などは日本IBMが受け持つ。

 早ければ2007年度(2008年3月期)の決算から内部統制に対応する顧客企業が出始める見通しで、ここ1-2年で需要はピークになると予想している。
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