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CTO サーバー事業に本格参入 SIをパートナーとして開拓
2005/09/05 12:36
週刊BCN 2005年09月05日vol.1103掲載
CTOは、パソコンメーカーのエフ・アイ・シー販売が自社ブランドパソコン「CTO」シリーズの知名度を高めるため、今年4月にCTOに社名変更した。第1弾の製品としてシンクライアントシステム「DIDシステム」を開発し、大企業を中心に顧客開拓に力を入れている。
蔡社長は、「個人情報保護法が完全施行されたことで、セキュリティを切り口としたシステム案件の商談が出てきた。シンクライアントシステムで受注を増やしていく」として、シンクライアントシステム関連のビジネスで今年度(2006年3月期)に1億円の売り上げを見込む。
DIDシステムは、サーバー側がOSやアプリケーションだけでなく、デバイスドライバや設定情報なども一括管理する。これにより、通常のシンクライアントサーバーでは、パフォーマンス面で厳しいとされる3Dグラフィックスなどデータ量の大きいファイルを扱うアプリケーションも利用できるという。
OSやアプリケーションなどの処理を端末側で実行するため、サーバーの負荷を軽減でき、処理を高速化するなど端末のハードウェア面を強化することも可能だ。
シンクライアントシステム関連のビジネスは、大手サーバーメーカーが先行しており、CTOは後発。しかし、「顧客のさまざまなニーズに応えた端末などを開発する点では、大手メーカーよりも小回りが利く」と、新規顧客の獲得に自信をみせる。
販路は、SIなどソリューションを提供するベンダーを想定し、「来年3月末までに30社程度とパートナー契約を結びたい」意向。現段階では販売パートナーを開拓している。「パートナーを増やせば、シンクライアントシステムだけでなく、パソコンの販売でもアライアンスを組むなど、次のビジネスにつながる」とみている。
CTOの主力であるパソコン本体のビジネスは、「成熟市場で、利益を確保しにくくなりつつある」のが実情。パソコンの低価格化が進むなかで、シンクライアントシステムの場合、「ハードディスクドライブ(HDD)を搭載していない端末でも価格を高く設定でき、粗利率も高い」という。
蔡社長は、「パソコンだけでは、顧客企業を競合他社に奪われる危険性もある」と、パソコン単独のビジネスではソリューション提案に負ける恐れがあると見ている。そこで、パソコンビジネスに新たな付加価値を提供するため、シンクライアントシステムを切り口に、「自社ブランドでのサーバーの開発を本格化させた」という。
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