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東芝 中国の携帯電話市場から撤退

2005/04/11 21:37

週刊BCN 2005年04月11日vol.1084掲載

【上海発】複数の現地報道はこのほど、東芝が中国の携帯電話市場から撤退することを決めたと伝えた。携帯電話事業の中国合弁会社、南京普天王芝公司からの撤退を決定。東芝は設備などを中国側に売り渡す予定で、すでに交渉に入っているという。これまで販売された携帯電話に関しては、メンテナンスなどは引き続き行われる。

 東芝、南京普天通信、香港王氏国際の3社合弁による南京普天王芝において、東芝は中国市場で初となるCCD(電荷結合素子)カメラ搭載、動画メール機能付きの端末を発売したが、その後、国産メーカーの低価格端末などの台頭で市場競争が熾烈化。販売不振に陥り、大量の在庫が資金繰りを圧迫したとされる。他の外資系メーカーのように、新製品開発の資金にも余裕がなく、結果的に市場から撤退することになったという。

中国の携帯電話契約件数が3億4410万に

【上海発】中国情報産業部が発表した最新の統計によると、今年1月1日から2月末までの2か月間に中国国内で携帯電話を使用して送信されたショートメッセージサービスの送信数は、前年同期比36.2%増の約432億1000通に上ることが明らかになった。

 このうち、今年の旧正月時期にあたる2月8日から15日までの1週間だけで、約110億通が送信されたという。また、この間、中国全土における携帯電話の新規加入は427万7000契約となり、累計で3億4410万契約に達した。04年末と比べると924万8000契約増加している。

 また、WAP(携帯端末用通信プロトコル)の利用者が数字上では約4000万人に達しているといわれているが、実際にはインフラの悪さ(ネット速度がすごく遅いため)、費用が発生する、習慣がまだない──などの理由から利用者が少ないのが現状だ。

 だが、本年はインフラの改善や、通信事業者のWAPに対する積極的な戦略などから、さらに普及していくと考えられる。いったん火がつけば普及が早い中国の事情からすれば、ショートメッセージ同様に利用される日も遠くない。

三洋電機(中国)有限公司
W-CDMA方式の3G端末開発に注力


【上海発】三洋電機(中国)有限公司は、W-CDMA方式の3G(第3世代)携帯電話端末の研究開発・生産に全力を挙げ取り組むことを決めた。このほど三洋電機(中国)有限公司の高野彰允総裁が記者会見で明らかにした。

 最近、東芝が中国の携帯電話市場から撤退を決めたことに対し、三洋電機は「東芝の二の舞にならない」と述べた。

 高野総裁は、三洋電機は中国携帯市場に占めるシェアは極めて少ないが、日本でW-CDMA方式の3G端末の販売が比較的好調で、中国で3Gライセンスが発給されれば、中国市場でW-CDMA携帯電話の研究開発に取り組み、巨大な中国市場の開拓に乗り出すことを表明した。
花村直子(インベスネットワークテクノロジー、http://www.inbess.com/
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