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ジェトロ上海逆見本市レポート(上) 「欲しい部品を陳列」
2005/02/28 21:32
週刊BCN 2005年02月28日vol.1078掲載
サプライヤー探しの展示会
「逆見本市」とは、サプライヤー探しが目的の展示会である。出展する側はブースに調達したい製品を展示する。例えば、電話機メーカーが出展する場合、製品をばらばらに分解して、調達したい部品をショーケースに陳列する。展示会ではその部品1つ1つを作ってくれる部品メーカーを募集する。展示会に来る側は、製品の買い付けに来るのではなく、自社の部品を売り込みに来るという具合だ。
出展する側はこうしてサプライヤーの情報を集め、安くて品質の良い部品を探し出し、部品の現地調達率を高め、コストダウンを目指す。基板や液晶モジュールなどのキーパーツから、電源、成型部品、コード、発泡スチロールやダンボールなどの梱包材、説明書やカタログなどの印刷物まで、現地(中国)で調達できるものはできるだけコストを抑えて現地で調達する。買い付ける側が出展し、売り込む側が展示会を見に行くというのが逆見本市の基本である。
出展企業数は116小間に64社・7団体。会場では大きく面積を取り、大掛かりな造作を行うパビリオンは見受けられない。各社とも商談優先という雰囲気がブースの装飾からも感じられる。主な出展企業は、シャープ(日本夏普株式会社)、パナソニックコミュニケーション(松下通信系統設備株式会社)、上海リコーファクシミリ(上海理光伝真機有限公司)、ソニー上海テクノロジーセンター(索尼中国有限公司)、ニコン香港(尼康有限公司上海代表処)など。出展企業中35社は中国に設けている現地法人からの参加である。
その中でも上海に拠点を持つ企業が最も多く35社中で27社。他は蘇州から3社、昆山2社、太倉2社、杭州1社と、出展企業は華東地区(長江デルタ地域)に域に集中している。(アジアITビジネス研究会幹事・吉村章=台北市コンピュータ協会駐日代表)
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