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オラクル 進化のためのM&Aは継続 「インフォメーションカンパニー」を提唱
2004/12/13 21:17
週刊BCN 2004年12月13日vol.1068掲載
オラクルオープンワールドの冒頭、基調講演を行ったチャールズ・フィリップス社長は、既存のシステムとは異なる手法でデータを操作する「インフォメーション・エイジ・アプリケーション」、レガシーシステムも含め情報を徹底活用するための「データハブ」、人手に頼らず既存アプリケーションも利用して構築する新たな「グリッド」を戦略テーマとしていくことを表明した。
これは従来、情報の細分化で情報そのものがもつ価値を利用できていなかったとの認識に立ち、より質の高い情報を安価に提供できることに一層重点を置くことを示している。オラクルEビジネススイートやオラクル・コラボレーションスイートなどの製品が市場ニーズを汲み取って成長していることを背景に、革新的な製品・技術の提供を進める方針だ。
具体的には、コスト効率が高く、分析能力に優れた「オラクル・ビジネスインテリジェンス10g」を発表。さらに、リリース済みのカスタマー・データハブに続いて、製造業向けの「プロダクト・データハブ」や公共向けの「シチズン・データハブ」、企業財務向けの「財務統合データハブ」、金融機関向けの「金融サービスアカウンティング・データハブ」などを2005年からリリースしていく。
同じく基調講演を行ったヒューレット・パッカード(HP)のカーリー・フィオリーナCEOも「情報を機能させることが重要」としたうえで、従来のように企業の部門ごとにサポートするのではなく、オラクルのようなパートナーとともに、ユーザーの使い勝手を優先させながら全社的にサポートするIT環境を提供していくことの重要性を指摘した。
一方、競争力とプレゼンスを高めるための戦略としては、TOB(株式公開買い付け)を進めているピープルソフトの成否とはかかわりなく、「現在、オラクルが有していない技術や製品をもつ企業を対象にM&A(企業の合併・買収)やパートナーシップ強化を続ける」(ジェフ・ヘンリー取締役会議長)方針を示した。これによりオラクルのオープンアーキテクチャーに新たな機能を付加し、IBMやマイクロソフト、SAPなどのコンペティターとの競争の中での優位性を確保していく考えだ。
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