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教育情報化推進協議会 IT整備に交付税利用呼びかけ 整備遅れる自治体を訪問へ
2004/10/04 21:11
週刊BCN 2004年10月04日vol.1058掲載
今回の訪問活動では、ITメーカーの関係者と事務局の日本教育工学振興会(JAPET)で、都道府県や市町村に赴き、首長や財務担当部局、教育委員会など予算編成に関わる担当者と直接会談する。会談では、同協議会が文部科学省の協力で作成した学校のIT整備状況や、ITメーカーが学校にIT機器を整備した事例に関する資料などを使って現状を説明する。その上で、教育の情報化に向け国が措置した交付税を最大限利用するよう訴える。
交渉次第では、自治体で不足しているSE(システムエンジニア)やIT整備に関するノウハウをITメーカーが支援する方針だ。JAPETでは、「訪問活動は、圧力団体が行う陳情とは異なり、政官民の協力により現実的なIT整備のノウハウを提供して、e-Japan戦略の目標達成を促す。その上で、教育の情報化の必要性を周知する」(森田和夫・事務局次長兼研究部長)と説明する。
05年度末を目標にしたe-Japan戦略での教育分野の情報化計画に対し、校内LANの整備と普通教室へのパソコン2台配置が遅れている。校内LANの普及率は04年3月時点で公立小中高校が37.2%、普通教室へのパソコン2台整備の進捗率が同20.2%とほとんど進んでいない。また、校内LANの整備率は、都道府県でトップの岐阜県が84.7%に対し、最低の東京都が8.9%と、地域格差も著しくなっている。
このため、訪問活動では、まず校内LANの整備が遅れている東京都や大阪府、福岡県など大都市圏の都府県庁や市町村を重点的に巡回。協議会では、「訪問する自治体の数は決まっていないが、来年度の予算編制に間に合わせるため、年末までにできるだけ多くの自治体を訪ねる」(森田事務局次長兼研究部長)と、訪問する自治体の数をかせいで働きかけを行っていく方針だ。
教育情報化推進協議会は、NEC、富士通、内田洋行、NTT東西などIT企業20社と中央省庁関係者、衆議院議員連盟などが集まり、7月27日に任意団体としてスタートした。
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